インスリノーマ膵島細胞腫 <犬>

概要

Overview

膵臓には、蛋白質や脂肪、炭水化物を分解する消化酵素を分泌し、食べ物の消化・吸収を助ける働き(外分泌)と、インスリンなどのホルモンを血中に分泌する働き(内分泌)があります。
膵臓でホルモンを分泌する部位をランゲルハンス島といい、グルカゴンを分泌するα細胞、インスリンを分泌するβ細胞、ソマトスタチンを分泌するγ細胞があります。このうちβ細胞が腫瘍化したものをインスリノーマといいます。
犬のインスリノーマは悪性の確率が極めて高い腫瘍だといわれています。

 

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※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

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原因

インスリンには、血糖値を下げる作用があり、インスリノーマはインスリンを分泌するβ細胞が腫瘍化することにより過剰にインスリンが分泌されることで低血糖が生じます。
発症のはっきりとした原因は不明ですが、中年齢から高齢の犬、または比較的大型の犬に多く発生する傾向にあります。

症状

一般的に低血糖による症状を引き起こすため、てんかん様発作、運動失調、異常行動、虚脱などの神経症状、また、元気消失、抑うつ、多食、体重増加、多飲多尿などの症状がみられることもあります。
空腹時、運動中や運動後などに症状があらわれることが多いといわれています。

治療

・外科手術
根本的な治療は腫瘍を外科的に切除することになります。
切除可能な孤立性の腫瘍であれば、完全に摘出することにより完治する可能性がありますが、
再発するケースも多いといわれています。また、外科手術での完全切除が不可能な症例では 
出来る限り腫瘍を切除で縮小し、その後に内科療法を行うこともあります。
・内科療法
ステロイド剤等の投与や食事療法を行います。食事療法は、頻回に食餌を与えることにより低血糖になることを予防します。また、食物繊維が多い食事などを与えることで、胃での排泄を遅らせ、小腸でグルコースが徐々に吸収されるようします。
このような食事療法は、食後、急激に高血糖になることによる過剰なインスリン分泌を予防します。
単糖類、二糖類、プロピレングリコール含有食物などは腸で速やかに吸収され、インスリン分泌を直接刺激する可能性があるため、摂取を避けるようにします。

予防

発症原因がはっきりと分からないため、発症自体を予防することは困難です。
しかしながら、早期発見早期治療が重要になるため、定期的に血液検査などを含めた健診を行うことや日頃の様子に気を配り、上記のような症状がみられた場合には早めにかかりつけの先生の相談してください。

病気のデータ

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みなさんからのコメント

Comment
アニコム獣医師
2021-09-24 10:01:08
>ぐり様
インスリノーマの食事療法では高蛋白、低炭水化物が基本となるため、ドッグフードを食べない場合はささみや胸肉を与えてもらうことが多く、炭水化物の多いじゃがいもはあまり推奨されません。
食事療法が難しい場合はステロイド、血糖値を上げるホルモン剤、抗がん剤等を使って血糖値をコントロールします。
食事も治療内容も症状や既往歴によって異なるため、担当の先生とご相談頂ければと思います。
ぐり
2021-09-18 23:34:22
インスリノーマ確定されました。
頻回で食事を与えたいのですが、ササミしか食べてくれません。
それも1日1.2回…。
お芋もサツマイモの紅あずまは食べてくれません。
例えば、安納芋は糖度が紅あずまより高いのでNGになりますかね…。ジャガイモも食べてくれません。他に何が良いでしょうか…。

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