概要
Overview上皮小体は、副甲状腺とも呼ばれ、気管側面にある甲状腺の周囲に、左右二組ずつある組織です。この上皮小体からは、パラソルモンというホルモンが分泌されており、体内のカルシウム濃度を調節しています。上皮小体機能低下症は、このパラソルモンの分泌不足により低カルシウム血症を引き起こすため、さまざまな症状が現れます。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。
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原因
原因としては先天的に上皮小体の機能が低下している場合や頸部に外傷や腫瘍がある場合、また医原性(甲状腺機能亢進症の治療のために外科的に甲状腺切除術を行う際に、上皮小体が傷つけられる等)で起こることがあります。また、まれに免疫介在性による上皮小体炎や上皮小体萎縮がみられる場合もあります。
症状
神経過敏、全身性発作、テタニー(筋肉の持続的な硬直やけいれん)、顔面のけいれん、運動失調、後肢麻痺などの低カルシウム血症で見られる神経症状が見られます。また、呼吸速迫、頻脈もしくは徐脈、発熱、白内障、食欲不振や嘔吐・下痢、体重減少などがみられることもあります。
けいれんなどの症状の発現は急で、ストレスや騒音、運動や興奮などによって誘発される傾向があります。
治療
上皮小体機能低下症では、カルシウムの補充とビタミンDの投与により、血中のカルシウム濃度を保つことが主な治療となります。カルシウム製剤のみの単独投与では腸管からの吸収が不十分なため、ビタミンDの投与も同時に行います。重度の低カルシウム血症の場合は急性発作を抑えるために、静脈内にグルコン酸カルシウムを投与する場合もあります。それ以外ではほとんどの場合、経口的に内服薬を投与します。良質なペットフードの中にはカルシウム含量が十分であるため、最終的にはカルシウムの投与を中止できる可能性があります。しかしながら、長期にわたり補助的にカルシウムやビタミンDの経口的な投与が必要となる場合もあります。
予防
頚部に外傷を受けないよう、お散歩時などは特に注意しましょう。早期発見、早期治療が大切ですので、上記のような症状がみられたら早めに動物病院さんで受診をしましょう。
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