甲状腺機能亢進症 <猫>

概要

Overview

甲状腺は、甲状軟骨(ヒトでは、のどぼとけといわれます。)のすぐ下にある、甲状腺ホルモン(サイロキシン)を分泌する内分泌器官です。この甲状腺ホルモンは、体の代謝を活発にするホルモンです。甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンの分泌が増加するため体の組織の代謝が亢進し、さまざまな症状を引き起こす病気です。中高齢の猫での発症が多いといわれています。

 

※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

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原因

甲状腺組織の過形成や腫瘍化により甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで発症する場合がほとんどです。

症状

甲状腺ホルモンは、体の代謝を活発にするホルモンとなるため、甲状腺機能亢進症ではさまざまな症状がみられます。また、正常な甲状腺は外から触れることはできませんが、過形成や腫瘍化で肥大した甲状腺は大きくなると外から触って分かることもあります。
また、下記のような症状がみられます。
・行動が非常に活発になり、落ち着きがなくなったり、攻撃的になることがある
・多飲多尿(飲水量が増え、尿量が増す状態)
・食欲は異常に増加するが、痩せてくる(基礎代謝が増加するため)
・脱毛、毛づやが悪くなる
・頻脈、心雑音、心肥大
・呼吸が速くなる
・嘔吐、下痢

治療

症状や状態、飼い主さんの希望などによっても治療法は異なりますが、一般的には、内科的治療と外科的治療があります。

◇内科的治療
抗甲状腺薬(甲状腺の働きを抑えるお薬)の投与を行ないます。一般的に一生にわたっての投薬が必要となります。投薬にあたっては、まず必要量を確認するために、投薬前後の血液検査(血中の甲状腺ホルモン濃度の測定)を行ないます。投与量が多い場合には甲状腺機能低下症を引き起こす可能性があるため、定期的に血液検査を行うなど注意が必要となります。また、薬の投与量や回数などについては猫の症状や甲状腺ホルモン濃度により異なるため、定期的な検査を含め、動物病院にご相談ください。内科的治療で症状が緩和されるケースもありますが、症状が重度な場合や内科的治療を行って症状の改善が見られない場合などは、外科治療を行うことがあります。

◇外科的治療
手術で甲状腺を取り出す方法となりますが、両側の甲状腺を取り出した場合には、甲状腺ホルモンを分泌することができなくなるため、甲状腺ホルモン薬の投与を行います。なお、取り出した甲状腺が片側だけの場合には甲状腺ホルモン薬の投与を行う必要はありません。猫の症状や状態などによって、適応時期や手術方法が異なります。また、外科的治療を行う場合は、麻酔のリスクや手術後の安静期間、ケア方法、費用につきましても、かかりつけの動物病院とよくご相談ください。

予防

早期発見、早期治療が大切です。動物病院さんでのこまめな検診をお勧めします。ご自宅では、猫の行動や飲水量、尿量などのチェックを行ないましょう。また、上記の症状が見られる場合は、早めに動物病院にご通院ください。

病気のデータ

Disease data

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