概要
Overview鳥には、消化を助けるために適当な大きさの小石を飲み込んで砂嚢(さのう)※に蓄える習性がありますが、人間が狩猟をする際に使用した鉛の銃弾が水辺の泥の中に混入し、野鳥が小石と間違って飲み込んでしまい鉛中毒が起こることがあります。また、鉛の銃弾で撃たれた動物を捕食した野鳥が、肉と一緒に銃弾を口に入れてしまい発症することもあります。
家で飼っている鳥であれば、鉛に触れる機会はあまりないように思えますが、鉛は日常生活の周辺にある多くの物に含まれています。お部屋で鳥を自由に遊ばせるときなど、十分に注意をしてあげましょう。
※鳥類の胃は、食道につづく前胃とその次に位置する後胃から成り、後胃は砂嚢とも呼ばれます。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。
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原因
鉛を摂取することにより発症します。家で飼っている鳥が口にする可能性がある鉛成分は、カーテンウェイト、メッキされた装飾品(ストラップ、ペンダント、ネックスレス、ブレスレッドなど)、ハンダ付けに利用されるハンダ、釣りのおもり、塗料、ワインのビンの金属箔などに含まれている可能性が あります。特にレースのカーテンなどのヒダを美しく見せるため、裾の部分に鉛の粒が縫い込んであるカーテンウェイトは、鳥のケージを窓辺に置いたときなどに、鳥が口にしてしまうことがありますので注意が必要です。
症状
オカメインコやセキセイインコなど、オウム・インコ類に発生が多い傾向がありますが、この他の鳥でも発生します。症状としては、突然の嘔吐、多飲、排泄物の色調の変化(濃緑色の排泄物が特徴的)、下痢、黄疸、呼吸困難、目が見えなくなる、痙攣(けいれん)、頭部下垂、旋回などが認められます。鉛中毒は経過が早く、死に至ることもある恐ろしい疾病です。
※2023年8月7日更新
治療
金属イオン封鎖剤とも呼ばれるキレート剤を投与し、鉛と結合させて排泄を促します。細長い金属棒のゾンデ(消息子)を使って、そ嚢※から鉛成分を洗浄・摘出する場合もあります。状態によっては輸液を することもあります。治療後も神経障害などの後遺症が残ることもあります。
※そ嚢とは食道が部分的に拡張した器官です。鳥類にみられ、食べた物を一時的にためておく機能があります。
予防
経過も早く、致死的な経過をたどることも多いため、予防をすることがたいへん重要です。
鳥のお気に入りの場所や手が届く所に鉛が含まれている製品等がないかをチェックをする習慣をつけましょう。ケージ内に鉛などの漏出の恐れのある重金属を含んだものは入れないようにしましょう。ケージの素材にも注意し、鳥がケージをかじる場合は、特に塗料の成分などもチェックしておきましょう。また、サビが出ていないかを注意しましょう。ステンレス素材のものはサビにくく安全性が高いと言われています。また放鳥中は目を離すことがないようにしましょう。
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