トレポネーマ症 <うさぎ>

概要

Overview

トレポネーマ症とは、Treponema cuniculiというスピロヘータ※が原因の細菌感染症で、「スピロヘータ症」と呼ばれることもあります。
また、原因となる細菌が人の梅毒を引き起こす病原体と近縁であり、症状も似ていることから「うさぎ梅毒」とも呼ばれます。ただし、うさぎから人に感染することはありません。
※スピロヘータとは、糸状・らせん状の細菌の総称です。分裂によって繁殖します。

※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

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原因

交尾などの粘膜の接触により感染しますが、母子間の接触でも感染します。
寒い環境は症状を進行させる要因となります。

症状

男のうさぎではペニスや包皮が、女のうさぎでは外陰部や肛門周囲が腫れます。また口や眼、鼻の周りなどに小さな水疱(すいほう)ができます。時間の経過とともに 水疱が潰瘍(かいよう)※となり、かさぶたができます。痒みを伴うこともあり、顔をグルーミングすることで前脚にも同様の症状が広がることがあります。鼻の周りに症状があると、クシャミや鼻水が出ることもありますが、主に症状は皮膚にみられます。
一般的には全身状態が悪化する病気ではありませんが、女のうさぎでは流産や不妊などがみられます。
※潰瘍とは、傷害や疾患によって皮膚や臓器の表面に欠損が生じた病変のことをいいます。

治療

臨床症状が現れる部位が生殖器と顔面に限られることから診断ができますが、人間の梅毒用の抗体検査キットを用いることもできます。皮膚糸状菌症(真菌の感染症)など、その他の皮膚病がないかは皮膚検査により確認します。
抗菌剤(クロラムフェニコールなど)の投薬により治療しますが、完治し難く、再発することが多い病気です。皮膚症状が消失しても、しばらく投薬を続けることで再発率を下げることができますが、ストレスなどにより免疫力が低下した状態では再発しやすくなります。

予防

症状のあるうさぎと接触させないことが最も大切です。中には感染していても無症状のうさぎ(キャリア)もいますので、うさぎ同士で鼻先などをむやみに接触させることは好ましくありません。またトレポネーマ症と診断されたことがあるうさぎは繁殖には向きません。

病気のデータ

Disease data

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