角膜炎<うさぎ>

概要

Overview

目の最も表面の部分を構成している透明な膜を角膜といい、その角膜が炎症を起こした状態が角膜炎です。うさぎは自然界では弱い存在ですので、自分の身を守るため、より早く外敵を見付けやすいように、目が顔の両側面に位置しています。また、眼球が身体に比べて大きく、まばたきをする回数が少ないという特徴があります。このような特徴に加えて、うさぎは犬や猫に比べて角膜が薄いので、角膜の病気を起こしやすいといわれています。

原因

「干し草などの異物が目に入る」、「ケンカや物にぶつかることによる外傷」、「細菌感染」などが原因で起こります。結膜炎による炎症が波及し角膜炎になることもあります。
また歯の疾患があると、角膜の表面を保護している涙液層に異常が起こり、角膜炎を起こすこともあります。

症状

軽度の場合には特に症状が認められない場合もありますが、進行すると痛みが生じるため、目をシバシバさせたり、目が開けられなくなったり、涙が眼の表面から過剰にあふれ出る流涙といった症状が認められます。
重症になると、角膜の浮腫(ふしゅ)により目の表面が白く見えたり、眼球内に蛇行した毛細血管(血管新生)がみられるようになります。また、本来透明である角膜が白く濁る(角膜混濁)、眼瞼の痙攣なども見られるようになります。
角膜の傷が角膜表面だけでなく角膜実質にまで及んで角膜潰瘍になると、痛みが強くなり完治まで時間がかかります。
また、乾性角結膜炎(ドライアイ)では、涙の分泌が減ることにより、目が乾燥し、粘稠性 の高い目やにが多く出ます。

治療

おもに抗生物質や角膜保護薬などの点眼で治療を行います。状況によってステロイドの点眼薬を投与することもあります。

予防

角膜炎は目の問題だけでなく、歯の疾患から発症することもあるので、日頃から食欲、元気を含めたうさぎさんの全身の状態をよく観察し、涙、目ヤニ、目の様子も良く注意するようにしましょう。
多頭で飼育している場合には他のうさぎさんとのやり取りの中で目に外傷を受け、角膜炎になってしまうことがあります。うさぎさん同士の普段の様子もよく観察しましょう。
うさぎさんは縄張り意識が強いどうぶつですし、相性が悪い場合もあります。一緒にしないで、分けて生活させるようにするのも選択肢の一つです。

病気のデータ

Disease data

病気のかかりやすさ(%)

平均年間通院回数
通院1回あたりの平均単価
他の動物種のデータを見る

病気のデータ

他の動物種のデータを見る

みなさんからのコメント

Comment
アニコム獣医師
2021-12-24 13:24:09
>エリ様
ウサギさんの涙の量が増えたり、目の周りが赤い場合、結膜炎や角膜炎、角膜に傷がある等の目の異常や目の周りの皮膚の炎症などの可能性が考えられます。目に傷がある場合やウサギさんが目を気にする様子がある場合など、早めの対処が必要な場合もあるため、一度受診されることをお勧めいたします。
エリ
2021-12-21 10:28:52
1才の男の子です。
おとといから右目だけ涙が出ていて、そのせいか目の回りがペタつく感じがします。左目と比べて少し瞼の際が赤い気もしますが、本人は元気もあり食欲もあります、病院で診てもらった方が良いでしょうか?
アニコム獣医師
2021-09-24 09:59:25
>ごまきち様
うさぎさんに目ヤニが見られる場合、鼻涙管閉塞、角膜炎、結膜炎、不正咬合等の原因が考えられます。
お写真だけでは判断できず、治療が必要になることもあるため、受診されることをおすすめします。
ごまきち
2021-09-17 22:30:01
生まれて3ヶ月でお迎えしてまだ1ヶ月経たないのですが、お迎え当初から右目のからメヤニが出ています。写真のように端に白く固まっているのはメヤニか体の一部なのかわかりません。眼球を傷つけるかもしれないので怖くて確認できません。毛が黒なので白い所が目立つだけで問題ないでしょうか。
m
2021-08-03 19:22:01
朝目がしばしばてるしなーと思い病院に連れてくと目を見て結膜炎だね、2.3日目薬さして様子みてねと言われタリビット点眼をもらいました、朝と今さっきさしたのですが朝より酷くなってて … 。様子見で大丈夫なのか気が気でないです。ただ本人は元気で食欲もあるので他の病気の可能性は低いのかと … 。

コメントを書く

※20文字以内で入力してください
※200文字以内で入力してください
画像
最大3ファイル / 64 MB 制限 / 許可されたタイプ: png gif jpg jpeg

アニコム損害保険株式会社

アニコム損害保険は、ペット保険を通じて、飼い主様の涙を減らし笑顔を生み出す保険会社を目指しています。

保険金支払データの分析を通じ、どうぶつがケガをしない、 病気にならないための情報の提供など、予防促進に取り組んでまいります。