犬の耳のお手入れは、外耳炎などの耳の病気予防や皮膚病予防のためにも大切です。
特にミニチュア・ダックスフンド、ゴールデン・レトリーバー、アメリカン・コッカー・スパニエルなどの垂れ耳の犬は耳の穴の通気性が悪く、分泌物がたまりやすくなるため、耳のチェックをこまめにしてあげましょう。
また、チェック時に耳に悪臭を感じたり耳垢などの汚れがひどいとき、また耳を痒がったり、首をパタパタと振ったりしているときは病院さんでの耳の奥まで確認してもらうと安心です。
耳の構造
犬の耳は外耳(耳介)・外耳道・鼓膜・中耳・内耳に分けられますが、ヒトの耳の構造と大きく異なるのは外耳道です。犬の外耳道はL字型をしているのです。
耳道には皮脂腺やアポクリン腺(耳垢腺)があり、毛も生えており、各腺からの分泌物は、外耳道の保護膜の役割を果たしています。耳垢は、表皮の細胞が新陳代謝で剥がれたものと、皮脂腺などの分泌物が混じり合ってできたものです。
お手入れの前に
飼い主さんの爪が伸びていると犬の耳の中を傷つけてしまうことが懸念されます。
まず、飼い主さんの爪をチェックしましょう。
どうやったらいいのかな?
コットンなどに耳洗浄液(イアークリーナー)を付けて、指が届く範囲で耳の内部を掃除してみます。犬を上手にほめながら、それでいながら毅然と「あなたにとってとっても大事なことをしてあげている」という表情でするのがポイントです。
だんだん犬が耳のお手入れに慣れてきたら洗浄液を直接、耳道内に入れてみましょう。
洗浄液を適量入れて、耳の付け根あたりを外から軽く揉んでみてください。このようにすると内部の汚れが浮いて出てきますので、その汚れをコットンでふき取ります。中に入れた洗浄液が多少残っていても犬は耳掃除の後に首を振り、そのときに残りの液が耳から排出されるので、気にしなくても大丈夫です。
※綿棒を使うことで、かえって汚れを奥に押し込んでしまったり耳の内部の皮膚を傷つけてしまったりする可能性があるため、耳のお手入れのときは、できれば綿棒を使わないようにしましょう。
口の周りの毛が伸びる犬種(シュナウザー・プードル・マルチーズなど)は耳の毛も伸びることが多いので密生している場合は、毛を抜き通気性を良くすることで清潔に保つことができます。
※ 毛をハサミで切ることは皮膚を切ってしまう場合がありとても危険!!絶対しないようにしましょう。
うぶ毛のような細かい毛なら手で抜けるので、耳道を傷つけないように見える範囲の毛を少しずつ指先で毛をつまんで抜いてあげてください。細い毛なので犬はほとんど痛みはないようです(外耳炎を起こしているときは皮膚がデリケートになっていますので注意が必要です)。
耳のお手入れのタイミング
2 週間から1か月に 1 回程度が目安ですが、耳の病気がある場合には、かかりつけの獣医さんの指示に従うようにしてください。また、誤った耳掃除は、場合によっては耳の病気の原因になることがあります。
不安な場合には、一度、専門家にお手入れの方法を教えてもらいましょう!
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