獣医さんの指導で療法食を与えている場合の注意
療法食・処方食は、そのワンちゃんの症状に合わせて、症状改善を行うための食事です。
療法食以外のものを食べさせる場合は、必ずかかりつけの獣医師に相談しましょう。
手作り食を与えるときの注意
手作り食を与える場合は栄養バランスをとるのが難しいため、獣医師などの指導を受けるようにしましょう。栄養バランスを考えた場合、ドッグフードを主食と考え、給餌量の 10 〜 20 %の手作り食を合わせてみるのもよいでしょう。
また魚や肉、野菜も消化の面や寄生虫感染のリスクを考え、なるべく火を通すようにすることが大切です。
他のものをあげたくなったとき
ヒトと同じように、ワンちゃんにも食欲が無いこともあります。このようなとき、食べないからといって心配のあまり、ヒトの食べ物を与えてしまうと、ワンちゃん用の食事を食べなければ、もっと美味しいものが食べられると思ってしまうことがあります。また、心配そうに飼い主さんがかまってしまうと、食べないでいると飼い主さんが相手をしてくれるとワンちゃんが思ってしまうことがあります。お腹が空いたときに食べる食事ほど美味しいものはありません。お腹が空くようにお散歩や運動をさせてあげることも大切です。また、ヨダレを流すということは身体が食べ物を摂取するための準備を充分にするということにもなり、大切なことです。おスワレ、マテの後に食べていいよ、と許可を与えるまで少し焦らしてしまっても良いでしょう。飼い主さんのおかげであなたは食べられるのだよ、ということをきっちりとワンちゃんに伝えてあげてください。
※体調が悪くて食べ方が少ないこともありますので、食欲がないときには獣医さんに診てもらってくださいね。
急いで食べるけど大丈夫?
ワンちゃんの先祖は狩りをして食べ物を手に入れていたどうぶつです。食べ物がいつ手に入るかわからないその頃の習性が残っていて、ほとんどのワンちゃんは通常、急いで食べる傾向にあります。しかしながら、食べ物に対する執着心が強すぎたり、むせてしまうなど気になる点がある場合には、 1 回のご飯の量を 3 回くらいに小分けにして、ボールが空になったら、次の分をつぎたすなどの工夫をしてあげましょう。
喉に詰まらせて吐き出してしまいます!
ワンちゃんの体はヒトと違って、胃と口の位置に高低差が少なく食べた物を吐き出しやすい構造になっているので、ヒトと比べると吐き出す頻度が高いかもしれません。また、ドライフードは水分含有量が少ないので、急いで食べると喉に詰まらせて吐き出すことが少なくありません。
食欲が無い、元気がない、頻繁に吐くなどの場合には、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
また、ドライフードの粒は各フードメーカーによりさまざまな形のものが販売されています。大きすぎると食べにくく吐いてしまったり、また小さすぎると噛まずに飲み込む原因となるので、ワンちゃんの体形に合った粒の大きさのフードを選んであげましょう。
消化できているのでしょうか?
ワンちゃんはヒトと違って食べ物をよく噛まず丸飲みしても、胃腸にため込み6時間から 8時間かけてゆっくり消化することができます。これも、1日の食事量が限られていたワンちゃんの先祖の名残と考えられています。よく噛んで食べていないようで心配に感じるかもしれませんが、下痢や便秘などの異常が無い場合にはきちんと消化できています。
なお、運動させるときやお散歩に行くときは食事をしてからすぐにいくのではなく、しっかりと食後の休憩をとってからにしましょう。
ポロポロこぼさず上手に食べれるようになりますか?
急いで食べるというワンちゃんの性質を考えるとポロポロこぼしてしまうのは当然のことかもしれませんが、次のような工夫をすることで改善できるでしょう。例えば、今より大きめの容器に替えてフードが飛び出ないようにしたり、食事台を使用して首の上下運動を減らしたりするとこぼれにくくなります。
フードをどこかに運んで食べたがりますが、どうしたらよいですか?
ハウスの中やソファの裏など、どこかにフードを運んで食べるワンちゃんは、いつもの食事の場所が落ち着かないのかもしれません。食事中にヒトや他のワンちゃんが近づくと、横取りされてしまうと思うワンちゃんもいます。
ワンちゃんに安心を与えてあげるために、ハウスの中やソファの裏などの落ち着ける場所にフードを置いて食べさせてあげるのもいいでしょう。また、飼い主さんは食事中には話かけたり近づいたりせずに、ゆっくりと食べさせてあげ、ワンちゃんの食事の時間にストレスの無い環境を作ってあげましょう。