冬のお散歩について
1.風の穏やかな時間に
子犬がお散歩デビューをする日、北風が強く、凍てつくような日だと、お散歩に嫌なイメージがついてしまうことがあります。子犬やシニア犬、病気のワンちゃんのお散歩はお天気の良い暖かい時間に出るようにしましょう。また成犬であっても、チワワやトイ・プードルのような小型のワンちゃんのお散歩は、なるべく風の穏やかな時に出るようにしましょう。
2.日光の恩恵を受ける
この時期、なるべく日光に当ててあげることも体調維持のためには大切です。日光を浴びることは体内のカルシウム合成を促進するためにも、また神経伝達ホルモンであるセロトニンの生産を活性化させるためにも重要です。ついつい外出が億劫になりがちな時期ですが、北風に負けず元気一杯、適度な運動をしてワンちゃんを健康に過ごさせてあげましょう。
3.お洋服について
寒さが苦手なタイプのワンちゃんには、防寒具として洋服を着せてあげても良いでしょう。洋服は防寒具としてだけではなく、お出かけ時など被毛の飛散防止のためにも役に立ちます。最初は洋服を着ることを嫌がる子も多いのですが、「よく似合うね!」などと褒めながら着せましょう。「洋服を着ること」と「ワンちゃんにとって嬉しいことがある」という2つのことをワンちゃんの中で結びつけさせるのがポイントです。最初はベストなどの簡単に着脱できる洋服から始めてくださいね。ただし、常時、洋服を着せておくと、蒸れてしまい皮膚病を誘発してしまうことがあります。外出から帰宅して、暖房のきいた部屋に入ったら脱がせるようにしましょう。
4.濡れたら乾かす
雪の日のお散歩時、指と指の間に雪が入り込んでしまうことがよくあります。雪が付いたままにしていたり、雪が解けて濡れた状態のままになっていると、指と指の間がジクジクとしてしまい、皮膚病になってしまうことがあります。指と指の間をしっかりと乾いたタオルなどで拭いて、ドライヤーなどで乾かしてあげてくださいね。
ライフステージ別にみた注意点
1.子犬
【体温調節について】
子犬は体脂肪が少なく、赤ちゃんのうちは自分では体温調節ができないため、気温調節には特に注意が必要です。子犬が母犬や兄弟犬と寄り添い温もりを得ている姿は微笑ましい限りですが、子犬たちにとっては、生死にも関わる重要な行動なのです。最初は変温性だった子犬は、生後4週目になってようやく恒温時期に入りますが、その後の数ヶ月は充分な配慮をしてあげましょう。
ちなみに生後1週間の室温は24℃から27℃に維持する必要があります。小犬ちゃんの周囲の温度は29℃〜32℃を維持してあげましょう。ペット用のヒーターを用意したり、ペットボトルにお湯をいれてバスタオルなどにくるんで置いておいたり、ダンボールなどで囲って冷たい風が入らないようにしましょう。
2.シニア犬
【お散歩は大事】
体温の調節機能はシニアになると段々低下します。また、骨格筋は熱を作り出すために大変重要な部位ですが、加齢とともに筋肉量が低下します。このため、ワンちゃんも年齢を重ねる毎にだんだん寒さに弱くなってきます。筋肉量を維持するためにも、体力をつけるためにも、できるだけお散歩に連れていってあげましょう。
【身体を冷やさない】
シニア犬はゆったりと身体を横たえている時間がだんだん長くなりますね。部屋の上は暖かいけど、床付近は冷たいという状態ですと、ワンちゃんの身体は冷えたまま、ということになってしまいます。ワンちゃんが過ごしている場所の気温、湿度に注意をしてあげましょう。扇風機などを使って部屋の中の暖かい空気を攪拌したり、バスタオルや毛布などを用意してあげると良いですね。廊下や窓から冷たい風が入ってくる場合には覆いをするなど工夫をして、隙間風が入らないようにしましょう。また、ヒーターや暖房をつけるときには、直接ワンちゃんの身体に温風が当たらないようにしましょう。
外で飼育している場合、寒い季節は夜だけでも玄関など屋内に入れてあげると安心ですね。屋内に入れることが難しい場合は、小屋に冷たい風が入ったりしないように囲いをしたり、小屋の中に暖かい毛布を入れたりしてあげましょう。
【やけどに注意】
ホットカーペットや電気アンカなどを使うときは、ワンちゃんがコードを噛んでしまったり、からまったりしないように注意しましょう。また、低温やけどを起こさないように注意しましょう。スイッチをつけたり消したりする、タイマーを使う、直接体に当たらないようにするなど、工夫をしてあげましょう。
【泌尿器科系のトラブルに注意】
お水をしっかりと飲めて、排尿がしっかりとできる環境を作ることは、シニア犬の泌尿器科系のトラブルを防ぐため大切なポイントです。寒いからどうしてもおっくうになってしまいますが、外にまめに連れ出したり、シートが汚れたら変えてあげましょう。