犬の習性について
これまでの歴史の中で人の仕事を助けるため多くの力を貸してくれた犬ですが、ここ数十年でさらに役割が多岐に及び、物理的な人の手助けだけではなく、精神的に人の心の支えとなるようになってきています。複雑化する人間社会に潤いをあたえ、家族の一員としての役割を担うようになってきているのですね。犬たちの習性や本能を知ることで、犬に心地よい生活を提供し、人が上手に犬の生活をリードすることにもつながるといいですね。
1.犬は社会性のあるどうぶつ
どうぶつの中には、群れを作って生活するものが多くいます。もちろん人も群れを作って生きるどうぶつ、またオオカミや犬も群れを作って生活をするどうぶつです。
犬は集団になり、その中で社会的役割を担い、獲物を追い詰めて捕獲するタイプの猟をしていたのではないかと考えられています。犬が社会性を持つどうぶつであるということが、人との深く長い歴史を刻む上で大きなポイントとなったのでしょう。ことに犬は同種以外とも社会的な結びつきを持つことのできるたぐいまれな高い能力を持つどうぶつであることは注目に値するでしょう。
2.どんな群れを作るの?服従したい?支配したい?
犬の群れは縦一線だと言われています。自分が群れの中でどの場所にいるのかが決まっていることと、力強い自分を守ってくれるリーダーが群れの中にいることにより、群れが安定化し、犬は大きな安心を得ると考えられています。群れの中で上位のものに自分の心を委ねて生きるのが犬なのです。
それでは、人と暮らす犬はどのような群れを作るのでしょうか?
諸説ありますが、人と一緒に暮らす犬も人との間に群れに似たものを作ろうとするのではないかと考えられています。人がリーダーにふさわしく、犬を守ってくれれば、自分で自分を守らなくてはとがんばる必要もなく、リラックスして安心して過ごせるのです。反対に不安が残れば、自分ががんばらなくてはと緊張する状態になってしまうのかもしれません。犬がストレスなく、ゆったりと暮らせるかどうかの責任は人にあるのかもしれませんね。
群れの状況によって犬の中では、「服従して安心したい」という気持ちと、「自分がみんなをまとめなくては」という気持ちのバランスをとろうとしているのかもしれません。「この人であれば自分の全てを委ねてもいい」と信じることができるリーダーがまとめる群れの一員となれた犬の生活は、群れをまとめる役割からは解放され、リラックスでき安心感のあふれた生活を送れるのかもしれません。
3.縄張り本能
自分の縄張りの中に近づいてきたり、侵入したりする人やどうぶつから縄張りを守ろうとするのが縄張り本能です。警戒本能ともいえるかもしれません。群れの中で安心できるリーダーがいれば、それだけ気持ちをとがらせて警戒しなくても済むのです。犬の縄張り意識を弱めてあげるためには、群れの中でのんびりと人に守られて過ごせるようにしてあげることが大切なポイントになるかもしれません。
4.狩猟本能
犬は組織的に狩猟をするどうぶつです。犬の狩猟に関する本能には大きく分けて3つのものが挙げられます。
?捜索本能:獲物の匂いを頼りに獲物を追います。
?追跡本能:逃げる獲物がいると追いかけます。
?持来本能:捕まえた獲物を巣穴に運ぼうとします。
これらの本能は、走る自転車や小さなどうぶつなどを追おうとする犬の行動にもあらわれます。また、警察犬や災害救助犬や麻薬探知犬などの優秀な働きも、この本能があるからこそ、なんですね。
5.繁殖行動
犬が性成熟を迎えるのは、一般的には生後6ヶ月から12ヶ月ごろです。
もちろん個体差がありますが、小型犬のほうが早熟な傾向があります。
性成熟を迎えると、男の子であればマーキングをしたり、足をあげてオシッコをするようになったり、攻撃的な行動をする、発情期の女の子を追うなどの行動が見られるようになります。
女の子は発情を迎え、出血が見られるようになる時期(発情前期)には男の子を寄せつけませんが、排卵期(個体差が大きいが、発情出血が始まってから10日頃)になると許容するようになります。
発情期には食欲に変動があったり元気がなくなったり、オシッコの回数や量などに変化がみられることもあります。
犬の社会性
動物種の中には、群れを作って生活するものが多くいます。もちろん人も群れを作って生きる動物ですが、オオカミや犬も同様に群れを作って生活をする動物であり、集団の中でそれぞれが社会的役割を担い、獲物を追いつめて捕獲するタイプの猟をしていたのではないかと考えられています。犬が「同種以外とも社会的な結びつきを持つことのできる、稀有な能力を持つ社会性の豊かな動物」であるということは、犬が群れを作って生きてきた動物であるからであり、だからこそ人との深く長い歴史を刻むことができたのではないかと考えられています。
服従したい?支配したい?
犬は属する集団を縦一線の群れとして考えるといわれています。そして、「自分が群れの中でどの場所にいるのかが決まっていること」と、「力強い自分を守ってくれるリーダーが群れの中にいること」で犬は大きな安心を得ます。安定した群れの中で、上位のものに自分の心を委ねて生きるのが犬なのですね。優れたリーダーがいれば身を委ね、服従をしようとしますが、そうでなくては自分が率いて支配をしなくてはならないと思います。もちろん生まれつきの気質もありますが、犬の服従性行動と支配性行動は周囲との関係でバランスをとるようになっています。
それでは、人と暮らす犬はどのように家族と群れを作るのでしょうか?
人と一緒に暮らす犬も、自分を守り、身を委ねてもいい存在が群れ(家族)の中にいるかと見回し、リーダーにふさわしい存在がいれば犬にとっての群れ(家族)は安心できる場所であり、位置が安定したものであると犬はリラックスして快適に過ごせるのかもしれません。ところが、リーダーに値する存在がいないとなると犬は自分がリーダーにならなくてはいけないと考え、守ってくれる人がいないのであれば自分で自分を守らなくてはいけないと、分不相応のストレスを犬自身が抱えることになるのです。
このように群れや周囲の状況によって、犬の中で服従して安心したいという気持ちと自分がみんなをまとめなくてはという気持ちのバランスをとろうとするワンちゃんにとって、「この人であれば自分のすべてを委ねてもいい」と信じることができるリーダーがまとめる群れ(家族)の一員となれた犬の生活は安心感の溢れたものとなります。
縄張り本能
自分の縄張りの中に近づいてきたり、侵入したりする人や動物から縄張りを守ろうとするのが縄張り本能です。それは言い換えると警戒本能ともいえるかもしれません。群れの中で安心できるリーダーがいれば、それだけ気持ちを尖らせて警戒しなくても済むのです。犬の縄張り意識を弱めてあげるためには、群れの中でのんびりと下の位置で過ごせるようにしてあげることが大切なポイントかもしれません。
狩猟本能
犬は組織的に狩猟をするどうぶつです。犬の狩猟に関する本能には大きく分けて3つのものが挙げられます。
1.捜索本能 獲物の匂いを頼りに獲物を追います。
2追跡本能 逃げる獲物がいると追いかけます。
3持来本能 捕まえた獲物を巣穴に運ぼうとします。
これらの本能は、走る自転車や小さな動物などを追おうとする犬の行動、いったん口にしたものを離そうとしない行動や拾い食いなどの飼い主さんが戸惑ってしまう行動に見られます。困った行動だけではなく、警察犬や災害救助犬や麻薬探知犬などの優秀な働きも、「この本能があるからこそ」なのですね。
繁殖行動
犬が性成熟を迎えるのは、一般的には生後6ヶ月から12ヶ月ごろです。
もちろん個体や犬種によって差はありますが、一般的に小型犬のほうが早熟です。
この時期になり体が性成熟を迎えると、男の子であればマーキングをしたり、足をあげてオシッコをするようになったり、攻撃的な行動をしたり、発情期の女の子を追うなどの行動が見られるようになります。
女の子は発情を迎え、出血が見られるようになる時期(発情前期)には男の子を寄せつけませんが、排卵期(個体差が大きいが、発情出血が始まってから10日頃)になると許容するようになります。発情期には、食欲の変動、元気がなくなる、オシッコの回数や量などに変化がみられることもあります。
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