脊髄梗塞

概要

Overview

脊髄梗塞(せきずいこうそく)とは、背骨の中を通っている脊髄に血液を供給している血管が詰まってしまう病気です。脊髄神経が障害されることで麻痺などの症状を引き起こします。

 

※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

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原因

背骨の中には脊髄と呼ばれる神経の束が通っており、この脊髄に栄養などを送るための血管が詰まってしまう病気です。繊維状の軟骨組織が血管の詰まりの原因になっていることが多いことから、線維軟骨塞栓症とも呼ばれます。非常にまれではありますが、血栓や寄生虫による塞栓、脊椎の腫瘍等による圧迫が原因となることもあります。

症状

障害を受ける脊髄の位置に応じて、身体の各所に麻痺などの神経障害が生じます。胸部から腰の間の脊髄で梗塞が発生した場合は、後肢の麻痺が起こり、ふらつきや立ち上がれないなどの症状が見られます。麻痺は左右両方に起こることもあれば、片方だけに起こることもあります。排尿障害が起こると、おしっこが出せない、あるいはおしっこを漏らしてしまうといった症状が見られることもあります。

頸部で梗塞が発生した場合は、前肢にも麻痺などの症状が見られることがあります。

梗塞が発生した瞬間に鋭い痛みが出ることがあり、その痛みで鳴き声を上げることがあります。

治療

根本的な治療法はありません。

椎間板ヘルニアなどのように、物理的な圧迫が生じる病気ではないので手術による減圧を行うことはできません。また、血管の詰まりは顕微鏡で確認しないとわからないほど細かいため、手術で取り除くことはできません。

発症直後は悪化を防ぐために安静に過ごすようにします。この時に二次的な脊髄障害を防ぐためにステロイドなどのお薬を使用することもあります。

麻痺の症状は自然に回復することがあります。自然に回復しない場合には、リハビリを行って機能回復を図る方法があります。

予防

正確な発生機序はまだわかっていないこともあり、この病気の予防方法は今のところわかっていません。

椎間板ヘルニアなど、同じように麻痺の症状を引き起こす病気との区別が大切になります。足が動かないなどの麻痺を疑う症状が見られたら早めに動物病院を受診するようにしましょう。

病気のデータ

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みなさんからのコメント

Comment
カイトの下僕
2021-11-03 12:42:40
先代猫くんが11歳の時脊髄梗塞に…3ヶ月寝たきりでした。排泄は介助でした。左半身麻痺で歩けないと覚悟していましたが…
愛猫自身の頑張りは勿論
私達も朝晩マッサージを欠かさず半年後不自由ながらも歩ける様になり排泄も自力で出来る様になりました。
アニコム獣医師
2021-08-04 18:36:10
>モコの母様
梗塞の程度や部位によっては、リハビリで腰から下に力が少しずつ入れられるようになり、自力で排尿をすることができるようになるケースもございます。また、炎症を抑える薬を併用することもございます。しかしながら、リハビリの方法や、適応かどうかは梗塞による麻痺の程度や部位などに左右されますため、かかりつけの先生に再度詳しくご相談ください。
モコの母
2021-07-31 19:56:47
現在7歳の猫ですが
2年前に突然 歩けなくなり
獣医さんに診察していただきましたら
脊髄梗塞と診断され
現在も自力で排尿が出来ないです。
なにかリハビリとかで 改善される事はないでしょうか?
よろしくお願いいたします。
アニコム獣医師
2021-07-28 20:03:41
>マロンの父親様
脊髄梗塞はステロイド等の内服とリハビリで回復することもございますが、回復の度合いは梗塞の重症度や治療の開始時期等によって異なりますので、現在の状況と予後につきましては、担当の先生にご相談いただくことをおすすめします。
マロンの父親
2021-07-26 09:54:54
6歳マルチーズです。今年の4月に立てなくなり、色々病院回って脊髄梗塞と診断。ステロイドやら炎症止め、抗凝固剤で回復したのだけど、また再発して入院中。そういう子の予後は悪いのでしょうか?同じ境遇の方おいでますか?

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