フィラリア(犬糸状虫)症 <犬>

概要

Overview

フィラリア(犬糸状虫(いぬしじょうちゅう))症は「フィラリア(別名:犬糸状虫)」という寄生虫によって引き起こされる感染症です。予防法が確立されているので、しっかりと予防をすることが重要です。

フィラリア症<犬>フローチャート

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※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

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原因

1.すでにフィラリア症に感染した動物を蚊が吸血し、血液中に含まれるミクロフィラリア(フィラリアの幼虫)が蚊の体内で成長し、感染能力を持つ。
2.1の蚊が新たな犬を吸血し、犬の体内にミクロフィラリアが入り込むことで、感染する。
3.犬の皮下、筋肉、脂肪などでミクロフィラリアが成長。血管内に侵入し、最終的に肺の血管や心臓に寄生する。
4.約6~7ヶ月後にミクロフィラリアは成虫となり、雌雄がいる場合は、たくさんのミクロフィラリアを新たに血中に産む。(1に戻る)

ミクロフィラリアが蚊の中で成長するには、一定以上の気温が必要となりますが、一度犬に感染すると、成虫は3~5年、ミクロフィラリアは1~2年、犬の体内で生存します。

症状

成虫の寄生数や寄生部位により様々な症状を起こします。
軽度の場合は症状を示さないこともありますが、肺の血管と心臓に寄生するため、咳や呼吸困難などの呼吸器症状、貧血(口の粘膜の蒼白)が起こります。重度になると胸水、腹水の貯留が起こります。急激に心臓や血管にフィラリアがつまると、赤色の尿(血色素尿)や重度の呼吸困難が起こり、ショック状態になって死に至ることもあります。
また、成虫やミクロフィラリアに対して免疫が働いた結果、肺や腎臓に炎症が起こることもあります。

治療

①手術で血管から成虫を摘出する方法と、②駆虫薬の投与をする方法があります。


①手術の場合:成虫は駆除できますが、負担のかかる全身麻酔での処置となり、特殊な器具も必要となります。


②駆虫薬の投与をする場合:成虫、ミクロフィラリア、それぞれに対して行います。成虫は一度に駆虫すると死滅虫体が血管をふさぐ可能性があるため、投薬方法には注意が必要です。じわじわと弱らせるような投与法や、複数回にわけて投与する場合もあり、治療期間には数ヶ月~長い場合には1年半以上を要することもあります。ミクロフィラリアは、一度に大量に駆虫するとアナフィラキシーショック(免疫反応)を起こす恐れがありますので、注意が必要です。


寄生の程度や病状により治療方針が異なり、また長期間にわたる投薬生活になる可能性があるので、かかりつけの先生とよく相談し、治療に臨むことが重要です。

予防

フィラリア症は、予防薬で感染を防ぐことができる病気です。
予防薬の投与期間は、蚊の発生期間や、ミクロフィラリアの発育に適した気温が地域によって異なりますので、かかりつけの動物病院に相談しましょう。

フィラリアに感染している動物に予防薬を投与することで副作用が起こることがありますので、予防薬を投与する前の検査についても相談することをおすすめします。

また、フィラリア症は、人獣共通感染症であり、稀にですが人に感染することもあります。感染しても重症化することはほとんどありませんが、自分の身を守るためにもしっかりと予防しましょう。
 

病気のデータ

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