概要
Overview蛋白漏出性腸症(たんぱくろうしゅつせい ちょうしょう)とは、腸管内部から多量の蛋白が漏れ出てしまうことによって、血液中のタンパク質が少なくなる低たんぱく血症となる病気です。原因も様々で、性別や年齢を問わず発症します。
※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。
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原因
腸のリンパ腫や腸リンパ管拡張症、リンパ球性?形質細胞性腸炎などの慢性の炎症性腸疾患が原因となり、腸粘膜からタンパクが喪失してしまうため、低蛋白血症が起こり、そのためにさまざまな症状がみられます。
症状
症状として慢性的な下痢が見られることが多いですが、見られないこともあります。その他栄養が十分吸収されないため、体重減少や元気消失、嘔吐、脱水がみられます。また、低蛋白血症のために血液中に水分を保持する力が低下し、浮腫や腹水の症状が起こります。
治療
原因に応じた治療を行います。慢性の炎症性腸疾患がある場合には消炎剤などの投与を行い、腸リンパ腫などが原因の場合は抗がん剤の投与などを行います。併せて、脱水や嘔吐、下痢などの症状に対する対処療法を行ないます。腸に負担の少ない処方食を用いた食餌療法を同時に行なうこともあります。また、近年、再生医療、細胞治療の研究がさかんになされており、病院によっては有効な治療方法の一つとして実用化されています。
予防
発症を予防することは難しいため、上記の症状が現れたり、下痢が続いているときなどには、早めに動物病院での診察を受けましょう。
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蛋白漏出性腸症では食べ物を適切に消化・吸収できないため、腸に負担をかけない低脂肪食が基本となります。
処方食を食べてくれない場合は、様々な種類がある市販の低脂肪食を試して頂いたり、手作り食にして頂く場合もございます。
場合によっては食べることを最優先に種類を問わず、ご飯を与えることもありますが、疾患の程度や症状によって栄養管理は異なりますので、かかりつけの先生にご相談ください。
低脂肪食事療法とのことですが口に合わないのか食べてくれません。
食べないことが不安なのですが
低脂肪食をあげてあまり食べず痩せるor低脂肪食ではないが食べる
どちらがいいのでしょうか、
蛋白漏出性腸症の治療はその原因となる病態によって異なるものの、基本的にはご提示いただいた治療内容が主軸となります。また、一般的な治療で反応が得られない場合には、リンパ腫が確定的でない場合にも抗がん剤を併用することもございます。現状の獣医療について私どもが知る限りでは、今行っていただいている治療法以外のご案内は難しいため、再度先生にご相談いただきますようお願いします。