概要
Overview乳腺は、左右の乳頭に沿って存在する乳汁を分泌する分泌組織で、乳腺炎はこの乳腺組織に炎症が起こる病気です。発情後や出産後授乳時期の女の子の犬に多くみられる病気です。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。
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原因
乳腺炎は乳汁の出口となる乳頭口から細菌が侵入することなどが原因で起こります。とくに授乳期に、子犬の歯や爪から細菌が侵入することが要因となります。また、出産していなくても発情後のホルモンの影響で起こることがあります。発情後、乳腺はホルモンの影響で発達し、過剰な乳汁分泌が起こることがありますが、この時に乳汁のうっ滞を起こすことが原因で乳腺炎が生じることがあります。
症状
乳腺炎が起こると、乳腺の腫れや熱感、痛み、黄色身を帯びた乳汁の排泄などの症状がおこり、症状が重い場合は、全身の発熱や食欲低下などの症状が見られます。さらに、重症となり乳腺の炎症が広がり化膿すると、皮膚や皮下組織が壊死することがあります。
治療
細菌感染が乳腺炎の原因となっている場合は抗生物質を投与し、細菌の関与がない場合は消炎剤などの投与をおこないます。また、炎症部位には、保冷剤や湿布、濡れタオルなどで冷却し炎症を抑えます。犬が授乳中の場合は、乳腺炎の状態によって人工哺乳に切り替えることがあります。
予防
授乳時期は子犬の歯や爪が細菌感染の原因となるため、子犬の爪が伸びていたら切り、離乳の時期には適切な食事を子犬に与えてあげ、確実に離乳させましょう。発情後に乳腺炎を起こす犬の場合、発情のたびに繰り返す傾向があります。この場合、避妊手術をすることで再発を予防できます。
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乳腺炎の程度によりけりですが、内服薬で改善が期待できる場合は、乳腺の炎症や痛みがある状態で手術を行うよりは症状が落ち着いてから手術を行うことが一般的です。
乳腺炎がおちついてからの避妊手術になりますよね?
乳腺腫瘍の発生率は避妊手術のタイミングが初回発情前なら0.05~1%、2回目の発情前なら4~8%、2回目の発情以降であれば25%程度と言われており、発情回数と手術のタイミングによって異なります。
先日避妊手術の術前検査で乳腺炎起こしてるとのことで薬を頂きまだ手術できないと言われました。
腫瘍とかできやすいのでしょうか
乳腺部のしこりは通常、炎症性のものや腫瘍性のものなどを疑います。腫瘍はシニア期に発生することが多いのですが、念のため、主治医にも再度確認していただくことをお勧めいたします。また、抗生剤の投与以外の治療として、腫れや疼痛を軽減する目的で、患部を保冷剤や濡れタオルなどで冷却することなどがございます。ご家庭でのケアに関しては、主治医とも相談しながら実施されることをお勧めいたします。