高病原性鳥インフルエンザ <鳥>

概要

Overview

鳥インフルエンザウイルスは、野生のカモなどの水鳥の腸管に存在し糞を媒介に感染しますが、水鳥が感染してもほとんど病原性を示すことはありません。ところが、感染伝播の過程で鳥インフルエンザウイルスが突然変異を起こし、致死的な強い毒性を示すことがあります。このように「鳥インフルエンザ」と呼ばれるウイルスのうち、感染した鳥に強い病原性を示すものを「高病原性鳥インフルエンザ」と呼びます。

日本では高病原性鳥インフルエンザは1925年に1度発生があってからしばらくはなかったのですが、2004年以降、各地で頻繁に発生が認められるようになりました。一般的には鳥インフルエンザが人に感染することは極めてまれで、日本では2015年2月現在で人への感染症例は確認されていませんが、海外ではアジア、中東などを中心に各国で認められています。人が高病原性鳥インフルエンザに感染した場合、発熱、呼吸器症状、多臓器不全など重篤な症状を起こしていることもあり、生活に大きな影響を与えることが懸念されています。公衆衛生の観点と養鶏産業への影響の大きさから、各国で発生の報告が義務付けられています。

原因

A型鳥インフルエンザウイルスに感染することで起こる病気です。鳥同士の感染は、このウイルスに感染している鳥の排泄物や分泌物の摂取や吸引によりおこりますが、このほかにも排泄物で汚染された土壌・えさ・水からも感染します。感染している鳥の羽や粉末状になった糞を吸い込んだり、感染している鳥の糞や内臓に触れた手を介して大量のウイルスが体内に入った場合に、ごくまれに人へも感染しますが、人から人への感染については、不明な点がまだ多いようです。

症状

鳥では、食欲・飲水欲の低下、下痢などの消化器症状・羽毛逆立・沈うつを示し、産卵を停止します。その後、顔面浮腫・呼吸器症状や神経症状など多様な症状を示し死亡します。しばしば、全く症状を示さずに死亡する場合もあります。
人では、突然の高熱、咳など通常のインフルエンザと同様のものから、重症の肺炎、全身症状を引き起すこともあり様々です。

治療

ペットとして飼われている鳥さんは、野鳥などとの接触や汚染物質との接触がなければ感染することがありませんが、万一鳥さんが感染した場合の治療法は確立されていません。感染が疑われる鳥さんには触ったり、埋めたりせずにお住まいの市町村・動物病院・家畜保険衛生所・保健所等に届け出が必要です。
人の治療では、抗ウイルス薬の投与や脱水時には点滴による治療を行います。その他、様々な症状に応じて対症療法を行います。

予防

感染を防ぐためにも、飼っている鳥さんを屋外で放したり、感染が報告された地区に近づけることは避けましょう。
また、口移しで食事を与えたりすることなど過剰な接触をやめ、飼育環境の掃除をこまめにして衛生的にしましょう。鳥さんを触った後は手洗い・うがいをするなどの注意が必要です。鳥インフルエンザウイルスは加熱すれば感染性はなくなり、万一、鶏肉や卵など食品中にウイルスがあっても食品を十分に加熱して食べれば感染の心配はありません。
なお、日常生活の中で、通常ではみられないような場所で野鳥が死んでいたり、複数の野鳥が一箇所で死んでいるのを発見した場合には、触ったり、埋めたりせずにお住まいの市町村や県の鳥獣対策課に連絡をしましょう。

病気のデータ

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