犬が後足2本で立ち、他の犬や飼い主さん等のヒトに前足をかけたり、しがみついて腰を振る行為をしたりすることがあります。この行為をマウンティングといいますが、男の子だけではなく女の子もすることもあります。
また性的に未成熟な子犬がすることもあります。
マウンティングには、「性的な成熟とともに男の子がするようになる行為」というイメージがありますので、「うちの子は女の子なのに・・・」「まだ赤ちゃんだと思っていたのに・・・」と、飼い主さんを驚かせてしまうことがあります。
マウンティングにはどんな意味があるの?
1.性的な行動
男の子は生後だいたい半年くらいになると性成熟時に入り、個体差はありますが、7か月くらいになると子孫を残すことが可能な時期に入ります。この頃となると、お人形やクッションなどを使ってマウンティングをする光景を多くの飼い主様が目にするようになります。また、女の子が発情中にマウンティングをしたがることもあります。
2.遊びの一つ
遊びの一端として、生後1か月頃の犬でも同腹の犬などを相手に同様の行動をすることもありますが、この場合は遊びの一つといって良いでしょう。このような遊びを通して、子犬も一人前の男の子になる準備をしているのかもしれませんね。
3.群れの中での上下関係を確認する表現の一つ
マウンティングは群れの中での上下関係を確認したり、不安定な順位を決定したりするために使う、群れで行動してきた犬にとって無くてはならないコミュニケーションツールの一つでもあります。犬が遊びの最中やお散歩時などに他の犬の体に手をかけてみたり、覆いかぶさろうとしたりすることもありますが、このような行動を通して、自分の優位性をアピールしているのかもしれません。飼い主様に対してマウンティングをすることも多いのですが、この場合は、犬がこの家族の中でどの位置にいるのかをはっきりと分かるようにしてあげることが解決の糸口になることもあります。
4.マウンティングをすれば、遊んでもらえると思っている
犬がマウンティングをしているところを見た飼い主さんが騒いだ様子をみて、「マウンティング=構ってもらえる」「マウンティング=遊び」という構図が犬の中に出来てしまっていることもあります。
犬の性的な行動について
男の子にはサカリの時期という特定の時期はありませんが、女の子の発情期間中に発する匂いに対して敏感に反応します。女の子は排尿行為を通して周囲の男の子に自分が発情期中であることをアピールします。
この発情期中の匂いは数キロ範囲にも及ぶといわれています。
多頭飼いのご家庭に避妊をしていない女の子がいると、男の子は女の子の発情期間に大変辛い状況になりますので、発情期の間は男の子と女の子はなるべく居を別にするように工夫をしてあげましょう。ご近所の女の子が発情出血の時期を迎えているときなどにも、女の子の傍に行きたいがための脱走をしたり、攻撃的な行動をしてしまったり、困ったことが起こることがあるかもしれません。
避妊去勢をすることで、性衝動で犬が悩まない状況を作ってあげたり、近くに発情期の女の子のいない状況を作ってあげたりすることなど、状況に応じてご家族様で検討なさると良いでしょう。
なお、去勢手術をしたにもかかわらず、マウンティングという行動が消えないこともあります。
これは、性ホルモンの分泌は手術によりおさまっているものの、マウンティングという行動として犬の記憶に残っているためです。
ただし、去勢手術を行えば、行っていないケースと比較すると徐々に発現の頻度はおさまってくることが多いようです。
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