愛犬がマウンティングをしているときはどのように対応したらいいの?
1.お気に入りのクッションなどにしている場合
お人形やお気に入りのクッションなどがマウンティングの対象となっている場合には、犬の居住空間の周辺に住む女の子からもたらされる匂いの情報が原因となっていることがあります。
いくら柔らかい素材のクッションなどにマウンティングをしていても、頻繁な行為により陰部に傷ができてしまうなどして細菌などの感染も懸念されます。可能であれば、犬が見ていない所で、犬がマウンティングを想定するお人形やクッションなどは隠してしまったほうがよいでしょう。
ただし、目に見えるけど手が届かないところに置いていては、余計に犬の辛さはつのります。隠すのであればまったく見えないところへ、また、犬がお散歩へ行っているときなど、見ていない時にしまってしまいましょう。
マウンティングをしているときは、急に犬が大好きなボールをポンと投げたり、ガラガラと窓を開けて「もうすぐパパは帰ってくるかしら・・・」などと大きな声を出したりしてみる、などをすることで、何か他のことに犬の気持ちをそらせてしまいましょう。
マウンティングは本能に起因する行動でもありますので、止めさせるのは難しいことは当然ですが、日頃から「うちの子の興味はどんなところにあるのだろう」と犬をよく観察することで、何とか気持ちをそらせるコツを見つけてくださいね。成功して犬がマウンティングを止めたら、「お利口ね」と褒めてあげたり、「スワレ」などの指示をして落ち着かせてみたりして、マウンティングを止めるしましょう。
また、その後には犬と楽しい時間を過ごしましょう。
「やめなさい」「ダメよ」「またやっている」などという声かけをすることは、マウンティングが飼い主さんの注目をひくことができる行動だと犬に思わせてしまい、余計に強化されてしまうことも多いため、避けたほうが良いでしょう。
高いトーンでの声かけは特に逆効果になりやすいため注意をしましょう。
2.ご家族様などに対してマウンティングしている場合
マウンティングをしてきたときに、ヒト側が嫌がって逃げたり騒いだりしてしまうと、遊んでもらっていると犬に勘違いをさせてしまったり、ヒトが弱い立場に移ってしまい、主導権が犬に渡ってしまうことになってしまうことがあります。マウンティングをしようとする犬に対して堂々と立ちはだかり、毅然として「ダメ」と叱りましょう。
そして大切なことは、マウンテイングを止めたら褒めることです。
他にもマウンティングをしたら、犬に対して無視をして背中を向け、その場を去ってしまっても良いでしょう。足にしがみついてきたときには飼い主様が姿勢を変えることで、犬がマウンティングの体勢を続けることができないようにしても良いでしょう。
いずれにせよ、マウンティングをすることで、犬にご褒美に当たることを決して与えないようにしましょう。また犬がマウンティングをしないことを選んだら、ご褒美に当たることを与えるとよいでしょう。
マウンティングを予防するために
犬が「マウンティングをしようとしている」という時には、ヒト側が犬から距離をとるなど工夫して、犬に抱きつかれにくい姿勢をとるのも予防という点では大切でしょう。
しかし、マウンティングは優位性を示そうとする行動ですから、犬に優位性を示そうという気持ちを起こさせないことが何より重要なポイントとなります。
犬にとって、「飼い主さんが頼りにすべき、ずっと高い地位にいる存在」であることを示し続けていきましょう。
幾つかの具体例を次ぎに挙げてみました。参考になさってくださいね。
(1)犬に食事を与えるときや犬が遊んで欲しくてボールを持ってきたときなど、犬が要求していることに応じる時には、「スワレ」「マテ」「ヨシ」などの指示と許可を必ず入れるようにします。
(2)家の中で快適な場所、例えばソファーの真ん中の席や高い場所などはご家族が占めるべき場所です。犬の場所は飼い主様の場所よりランクが下の場所であることを示してあげましょう。
(3)ご家族様のお一人がご帰宅なさったときに、他のご家族様がお宅にいらっしゃるときには、必ず人間のご家族様への挨拶が先です。ご家族様全員への「○○ちゃん、ただいま」という挨拶が全部終わってから、最後に静かになった犬に声をかけるようにしましょう。
(4)犬への指示をなさるとき、あるいは、「いけない」ということを伝えるときの声がけは、低い声でしっかりと腹の据わった強い声でするようにします。褒めてあげるときには一転して、明るい声で嬉しそうに声をかけてあげましょう。一緒に遊ぶときには、うんと楽しい時間を過ごすようにしましょう.
(5)犬を日頃から興奮させすぎないようにしましょう。犬が興奮しているときにはご家族様は反対に落ち着くことが大切です。また、お家の中にはケージや好きな座布団の上など、犬がゆっくりと落ち着いて過ごせる場所を用意してあげましょう。
これらのことを通して、「お家の中には犬にとって安心できる場所がしっかりとあること」、「犬の場所は群れの最下位であること」をしっかりと示してあげましょう。
なお、ご家庭に小さなお子様がいらっしゃる場合、お子様自身では上手に犬への指示が出せない場合もあります。このような場合は、お父様やお母様は手を貸してあげましょう。
また、お子様は犬を統率するほうの立場であることを示すために、お食事やお散歩などの犬のお世話をできることから担当するようにしても良いでしょう。
犬は周囲の雰囲気を察する力に長けたどうぶつですので、犬の前でお子様を「ダメね」などと叱ったりすると、犬がお子様を見下してしまうことがあります。
犬の前では、お子様を認めているという気持ちを表す行動を取るようにしましょう。
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