犬の歯は何本あるの?
犬乳歯は28本です。個人差はありますが、通常生後3週間前後から生え始めて、だいたい2か月間で生えそろいます。
永久歯は42本です。生後4か月過ぎごろから生え始め、ほぼ生後7か月で生えそろいます。
抜けた乳歯は、犬が飲み込んでしまったり、遊んでいるうちにその辺に飛ばしてしまっているようなこともあります。
歯と歯周組織の構造
歯は大きく分けると、エナメル質・象牙質・歯髄という3つから成り立っています。
エナメル質は歯の見えている部分(歯冠)の表面を覆っている知覚がない部分です。
なお再生・修復はできません。
象牙質はエナメル質の下にある部分ですが、歯髄を厚く覆っています。
歯髄は、歯の中心にある歯髄腔を満たし、神経、血管、リンパ管などが入り込んでいる組織です。
歯周組織とは歯を取り巻く組織ですが、歯肉、歯槽骨、歯根膜、セメント膜から構成されています。
セメント質は歯根部分の象牙質を覆っている硬い膜です。歯槽骨といっても特別な骨があるのではなく、上顎と下顎の骨で歯を支えている部分を指します。歯肉はいわゆる歯茎ですが、非常に丈夫な組織でできています。歯とこの歯肉の境目には数ミリの溝(歯周ポケット)があるのですが、ここに歯垢(プラーク)がたまると炎症を起こして他の歯周組織にも進んでいきます。これが歯周病です。
歯周組織の疾患を歯周病と呼びますが、歯周病は歯肉炎と歯周炎という2段階に分けられます。歯肉炎は歯周病の初期に見られる歯肉の炎症で、治療による回復が可能です。歯肉炎が進行してしまい深い部分の歯周組織に広がり、歯周炎と呼ばれる状態になります。こうなってしまうと、もとの状態に戻すことができなくなってしまいます。
歯周病の原因は?
周病の原因は歯垢(プラーク)の中の細菌です。歯周ポケットの中で細菌が繁殖して歯肉以外の歯周組織にも炎症が及ぶと、歯周炎になります。歯肉はますます赤く腫れてしまい、歯垢・歯石もより多く見られるようになります。また炎症によって生じたガスや腐敗物のため口臭が強くなり、犬は痛みを感じ始めます。炎症部分から細菌が血管内に侵入し、心臓、肺、腎臓などの全身性の疾患を引き起こす可能性もある大変恐い病気です。
歯垢(プラーク)とは、主に唾液中の成分と口腔内の細菌とで構成されていますが、次第に溜まっていくと石灰化して、歯石を形成します。歯垢は歯周病を引き起こす原因にもなりますので、歯周病予防のために歯磨きが大切です。歯垢は食後すぐに増殖しますので、歯磨きは、なるべく毎食後、または 1 日に 1 回程度がお勧めです
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