シャンプー <猫>

 

猫は体がぬれることを嫌がる子が多く、往々にしてシャンプーが苦手!完全に室内暮らしで短毛種の猫であれば、ブラッシングが充分であればシャンプーをしなくても大丈夫でしょう。長毛種の猫の場合はブラッシングだけでは汚れが取りきれないことも多いので、月に 1 回くらいを目安にしてシャンプーをしたいものです。猫の皮膚は人の皮膚とpH(ペーハー)が異なりますので、猫用のシャンプーを使いましょう。

 

 

シャンプーをするにあたって

 

 

シャンプー前には必ずもつれた毛をほぐしておきます。可能であればブラッシングをして汚れなども一緒に取り除いておいてください。直接目や顔に水がかかると嫌がりますから、スポンジなどを使うとよいでしょう。洗い終わったらシャンプー剤が体に残らないように十分にすすぎましょう。汚れがつきやすい肛門の周り、尾の付け根、足、お腹の下などは念入りに洗ってくださいね。

生後 3 か月以内の子猫、妊娠中や体調を崩している猫などは、シャンプーは控えていただき、シャンプーをされる際にはまず、かかりつけの先生に相談をしましょう。また、皮膚の状態などの理由から動物病院でシャンプー剤を処方された場合などはその指示に従いましょう。また、シャンプーをすることは、猫にとっては、人が思うより緊張し体力を消耗するようなので、体調がよいときでも、シャンプーの後はゆっくりと休ませましょう。

頻繁なシャンプーは被毛がパサついてしまったり、皮膚のバランスが崩れ、肌のバリア効果が減少し皮膚病を引き起こす原因にもつながります。このようなことを防ぐためには、シャンプーをする間隔をその猫によって調整し、どうしても汚れが気になるときには、マッサージ効果も期待できる蒸しタオルなどで拭きとるようにしましょう。

 

 

シャンプーの手順

 

 

1.まずは全身をブラッシングし、被毛のもつれをほぐし、汚れを落として毛並みを整えます。
ブラッシングの際にはブラシで肌を傷つけないように気をつけましょう。長毛の猫など毛玉ができやすい場合には、ブラシで無理に引っ張らず、指で少しずつほどいてあげてください。

2.シャンプー前のお手入れが終わったら、いよいよシャンプー本番です。
まずは体を丁寧に濡らします。被毛だけでなく、皮膚までしっかり濡らしてください。
また、水が嫌いな猫がほとんどなので、シャワーヘッドは猫の体に密着させ、水圧が強すぎないよう、お湯の量を調整しましょう。どうしてもシャワーが苦手で興奮してしまう猫の場合は、洗面器などに入れたお湯をゆっくりとかけてあげたり、タオルやスポンジなどを利用して、少しずつ濡らしてあげたりするとよいでしょう。猫は顔が濡れることをいやがる場合が多いので、まずは、お尻や後肢など、顔から遠いところから順にお湯をかけ、徐々に顔に近づけていくようにしてください。顔へのシャワーを嫌がる場合には、後頭部からお湯をかけたり、スポンジにお湯を含ませて拭き洗いしても良いでしょう。
お湯の温度の目安は、 35 度から 38 度くらいが適温で、人の感触では少しぬるいと感じるくらいでよいでしょう。高温になると被毛の間にお湯がたまり、やけどの恐れがあります。また、内股・脇の下などの皮膚が敏感な部分も洗うことは皮膚病の予防にもなりますので、気をつけて洗いましょう。
十分に体が濡れたら、猫専用のシャンプーを 2 倍程度に薄めた物を用意し、お尻や後肢から順に手早く洗ってください。爪を立てたり、ゴシゴシ強く洗いすぎたりして皮膚を傷めないように気をつけましょう。

3.しっかりと全身を洗ったら、シャンプー剤が残らないように充分にすすぎます。
シャンプー剤が残っていると、皮膚のトラブルを起こすおそれがあるので、充分に洗い流しましょう。

4.シャンプーの後は、リンスをしてあげても良いでしょう。
アルカリ性になった皮膚を弱酸性に戻したり、静電気防止にもなります。薄めたリンスを顔にかからないように注意しながら体全体になじませ、マッサージをかねて体全体に行きわたらせましょう。リンスが全体に行きわたったら、シャンプーと同じように、しっかりと洗い流しましょう。

5.シャンプーとリンスが終わったら、全身の水気を取りますが、びしょ濡れの体をタオルで拭く前に、猫にブルブルッと身震いをさせて水分を飛ばすようにすると、その後タオルで拭くことが楽になります。

6.タオルで十分に水分をふき取ったら、次はドライヤーを使ってしっかりと乾かします。
ドライヤーの風は低温にし、自分の手に風を当てても熱くない距離(約 30 cm程)に離して、後ろから毛をかき分け根元に風をあてましょう。風で毛についている水滴を飛ばすイメージで行います。初めてドライヤーをする時には、音にびっくりしてしまう猫もいるので、最初は弱風で始めるなどの工夫をしましょう。
また、ドライヤーをかけながらブラシで毛を分けたり、タオルで拭きながら風をあてると、さらに乾きが早くなります。

 

 

注意いただきたいこと

 

 

1.シャンプーをした後、半乾きや湿ったままの状態で放置すると、蒸れにより皮膚や被毛で細菌が増え、皮膚病などの原因になるので十分に乾かしてあげましょう。

2.人と猫では皮膚のpH(ペーハー)が違うので、人用のシャンプーを使うことで被毛や皮膚に影響を及ぼす原因になる場合があります。猫専用のシャンプーを使いましょう。
なお、猫用のシャンプー剤には、さまざまな種類のものがあります。猫のお肌のタイプを考慮し、ピッタリのシャンプー剤を見つけてあげましょう。

3.長毛種の場合には、毛が絡まないようにしましょう。
指の腹を使い、毛の流れにそって、優しくマッサージをするように洗ったり、ゴムのブラシなどを使用するのも効果的です。

4.目ヤニが固まっている場合には、濡れてふやけたところで、皮膚を傷付けないように十分に注意して目の細かいコーム(ノミ取りコームなど)で鼻先の方向へとかして取りましょう。
ティッシュなどでは目が粗く、強く擦るとかえって皮膚や目を傷つけてしまう恐れがあるので、ガーゼやコットンなどでふき取るのも効果があります。

5.シャンプーが目に入った場合には、焦らずにシャワーで優しく洗い流しましょう。
必要に応じて、かかりつけ獣医師の診察を受けましょう。

6.シャンプーが苦手で、暴れてしまう猫は決して無理をせず、濡らしたタオルで汚れをふき取ることから徐々に慣らしてあげてください。合間にご褒美をあげ、「シャンプー=いいこと」と思わせるようにすると良いかもしれません。

7.シャンプーのしすぎは毛艶を無くす上、皮膚の脂分を失わせてしまいます。
また皮フにシャンプーが残ると、炎症を引き起こすことがあります。注意しましょう。

 

 

ワクチン前後のシャンプーについて

 

 

猫たちにとってシャンプーは体力を消耗し、緊張からストレスとなってしまうことがあります。体調の良い日にワクチン接種をしていただくためにも直前にシャンプーをするのは避けましょう。
ワクチン接種の予定がある場合は、1週間ほど前にはシャンプーを済ませ、体調を整えましょう。シャンプー後体調がすぐれないようであれば、ワクチン接種は延期していただいたほうが良いでしょう。

 

 

ブラッシング<猫>へ続く

 

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