血液型と輸血について知ろう!! <猫>

 

人の血液型に「ABO式」、「Rh式」などの分類があるように、犬、猫にもそれぞれの血液型と分類があります。血液型について、また輸血について調べてみましょう。

 

 

血液型について知ろう

 

 

血液型とは、赤血球の表面抗原のタイプによって血液を分類したものです。
動物種により分類方法や数などを以下、ざっと挙げてみました。


1.人について
(1)血液型の分類方法は「ABO式」、「Rh式」
(2)主な血液型は、A型、B型、AB型、O型
Rh(+)、Rh(-) など


2.犬について
(1)血液型の分類方法は「DEA式 」など
(2)主な血液型はDEA1.1、DEA1.2、DEA3〜DEA13 など
3.猫について
(1)血液型の分類方法は「AB式」
(2)主な血液型は、A型、B型、AB型

 

 

犬の血液型や輸血について詳しくみてみよう!

 

 

犬の血液型は13種類以上あるといわれています。
国際的にはDEA(Dog Erythrocyte Antigen=犬赤血球抗原)式による分類がよく用いられています。犬の場合、1頭で複数のDEA型を持っています。
犬は、初回の輸血の際は血液型が一致していなくてもあまり問題にならないと言われますが、これは、最初は他の型に対する抗体を持っていないためです。しかしながら、過去に輸血経験があったり、咬傷経験があったりすると、抗体が作られている可能性があり、2回目にその血液型が入って来たときに抗体が反応して拒否反応を起こすことがあるため、血液適合試験が必要になります。


先述の通り、犬にはたくさんの血液型がありますが、輸血の際の血液の適合性をみるため重要なのは、DEA1.1の判定です。DEA1.1は赤血球表面抗原のタイプの中で最も抗原性(輸血したときに拒否反応を起こす性質)が強く、不適合な輸血により重い副作用を生じる可能性があるからです。
また、DEA1.1には陽性(+)と陰性(−)があり、DEA1.1(+)の血液をDEA1.1(−)に輸血すると急性溶血反応※という命にかかわる状態に陥る危険性もあります。なお、その逆では問題なく輸血することができます。


最も望ましいのは輸血をする前にしっかりと血液型を判定していることです。ヒトと違い犬の詳しい血液型を検査できる動物病院が少ないのが現状ですが、最低限、輸血の際に問題となるDEA1.1の判定を行っておくと安心だといわれています。
※急性溶血反応とは、ドナー(供血犬:血液を与える犬)の血液中の抗体がレシピエント(受血犬:血液をもらう犬)の赤血球を攻撃するため、レシピエントの血液が破壊されること。
 

 

 

犬の血液型の判定について

 

 

日本では、国際的に承認されている犬血液型判定キット(犬赤血球抗原DEA1.1の有無を判定)が入手可能です。また、ドナー(供血犬)とレシピエント(受血犬)の血液を混ぜて肉眼的に適合を判定するクロスマッチテスト(交差適合試験)と併せて、より詳しい適合試験を動物病院さんで行うことができます。
 

 

 

猫の血液型や輸血について詳しくみてみよう!

 

 

猫の血液型は3種類、O型はありません。なお、日本にいる猫の多くはA型と言われ、B型は少数、AB型は非常に稀だといわれています。

 

 

猫の輸血時の注意点

 

 

猫の場合は初回であってもA型とB型の相性が悪く、重症の急性溶血反応を起こし、命の危険を伴います。これは、B型の猫の持っている抗A型抗体が非常に強力なためです。

 

 

猫の血液型の判定

 

 

猫の血液型の判定は、犬と同様、国際的に承認されている猫血液型判定キット(猫赤血球抗原を調べる)とクロスマッチテストを併せて行います。
 

 

 

どうぶつの輸血医療の現状

 

 

人と違い、どうぶつの場合は献血を行い保存しておくような血液バンクなどの仕組みが現状でほとんどありません。このため、動物病院によっては健康な若い犬や猫を供血犬、供血猫として飼育し、輸血が必要になった時に採血して輸血を行う方法をとっているケースがあります。
また、協力してくれる飼い主さんに呼びかけて、供血犬、供血猫の登録制度を導入し、いざ輸血が必要になった時に輸血用血液をもらうようにしている動物病院もあります。
しかしながら、その制度の導入もなかなか難しく、お友達の血液型の合う犬、猫をご自身で探していただき、お願いしているというのが現状のようです。

 

 

血液型判定をあらかじめ検査しておくメリット

 

 

・ 安全な輸血を受けるのに役立つ
・ 輸血用の血液を供給できる
・ 不適切な交配を避け新生児溶血を予防することができる


猫ではB型のお母さんからA型の子猫ちゃんが生まれるような不適切な交配により初乳による新生児溶血が起ることがあります。また、病気になったときに検査をしても正確な判定が得られないこともあるので、いざという時のために、ご自身の犬、猫の血液型は健康な時に調べておくと安心ですね!

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