家族を肥満から守ろう!(2) <猫>

肥満のタイプにもいろいろ「肥満の種類」

・単純性肥満
体のエネルギーの収支バランスが、「出す」より「入る」方に傾くことでおこる肥満を「単純性肥満」と呼びます。またこの「単純性肥満」は「細胞増殖性肥満」と「細胞肥大性肥満」に大きく分けられます。「細胞増殖性肥満」は成長期から性成熟を迎えるまでの間に多くみられ、脂肪細胞のサイズのみならず、脂肪細胞の数も多くなってしまいます。脂肪細胞の数は、いったん増えてしまうと減らすことはできません。もちろん、成長期のすくすく伸びる体に充分なエネルギーを栄養バランスよく与えることは大変重要ですが、幼い時期のエネルギー過剰にも注意をしてあげることが大切です。もう一つの肥満タイプである「細胞肥大性肥満」は大人になってからのどうぶつに多く、脂肪細胞のサイズのみが大きくなります。

・症候性肥満
病気や身体の機能の異常によって起こる肥満ですから、適切な治療をしなければなりません。内分泌疾患による肥満が代表的なもので、この中にはクッシング症候群、甲状腺機能低下症、インスリノーマ(ランゲルハウス島腫瘍)、(インスリン非依存性)糖尿病、性腺機能低下症などがあります。ただ、単純性の肥満がインスリンの効果低下につながることも報告されていますので、単純性肥満と症候性肥満の関連性にも要注意です。
最近うちの子太ってきて・・・というときは、一度、動物病院さんに相談すると安心ですね。

 

太りやすいタイプの子っているの?

 

犬については、もちろん個体差はありますが、ビーグル、ラブラドール種、シェットランド・シープドッグ、ダックスフンド種、バセット・ハウンド、コッカー・スパニエル種などが太りやすい傾向を持つといわれています。一方、猫に関しては、純血種の猫よりミックスのほうが太りやすい傾向にあるといわれています。

また、避妊去勢をした後のどうぶつは、体内の代謝がかわる等の理由から太りやすくなる傾向にありますし、中高齢を迎えると1日に必要とするエネルギーが若いころから比べると低下します。避妊去勢後や中高齢を迎えた犬や猫に与える食事に関しては、特に注意が必要です。

 

肥満が引き起こしやすい病気

 

・糖尿病
肥満になると、分泌されたインスリンの効き目が低くなり、このため、インスリン非依存型糖尿病を発症しやすくなります。

・高血圧
肥満により体内を循環する血液が増えると、その分、体内に血液を送り続けなくてはいけないため、負担の大きさは推して知るべし、ですね。

・整形外科疾患
体重が増加すると関節への負担が大きくなり、関節炎や骨格への異常を引き起こしがちです。
特に大型犬で、骨格が成長途上の状態では、肥満のために骨成長に影響をおよぼし、変形が生じてしまうことがあります。

・脂肪肝
肥満が肝臓での脂肪合成に影響を与え、過剰な脂肪が肝臓に蓄積するようになってしまいます。

 

太った猫の食欲不振に注意!

 

肥満している猫が絶食状態になると、脂肪肝(肝リピトーシス)を引き起こし生命の危険を伴うことがあります。食欲がないときには、そのままにしておかず、まずは動物病院さんに相談してみましょう。

 

肥満予防のために!

 

犬や猫は「与えられたものを食べるしかない」ので、時には心を鬼にする状況も生まれます。 入るエネルギー量(食事)と出るエネルギー量(運動量)について、きちんと管理をすることで、わが子の健康を守りましょう。ヒトを含め、どうぶつの体は運動不足になると体内にエネルギーを貯蔵しやすくなりますし、交感神経の働きが鈍くなるといわれています。日頃から、適度な運動を習慣付けるようにして、太りにくいからだを維持するようにしましょう。

一日に必要な給与量はペットフードの裏袋に記載されています。この分量を目安に給与回数で割り、一回の給与量を算出します。オヤツとして与えるカロリーも含めて考えるようにしてください。 飼い主さんの食べているものを物欲しそうに見つめるつぶらな瞳に負けそうになりますが、わが子の健康のためです。負けないでくださいね。なお、食事の置きっぱなしは肥満になりやすいだけでなく、季節によっては食中毒の原因となったり、フードが傷んだりすることもあるので避けましょう。

 

家族を肥満から守ろう!その3に続く
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※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

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