私たち人間を含めたどうぶつが生きるためには、体内に栄養(素)を取り入れなければなりません。食物に含まれる栄養(素)は骨・筋肉・体を構成する成分となりますし、エネルギーを作る原料にもなります。また、体内での化学反応や代謝、物質の運搬に関わり、熱(体温)を作るなど、たいへん重要な働きをします。
たんぱく質、炭水化物、脂質、ミネラル、ビタミン類を五大栄養素といい、とりわけエネルギーの供給に関わるたんぱく質、炭水化物、脂質を三大栄養素といいます。また、水を第6の栄養素として扱うことがあります。
水の重要性については、「水を摂取しないでいると1週間程度しか生きられない」、「体内の重量の10%の水を失うと生命の危機が生じる」といわれることからも明らかです。それでは、水は体内でどのような働きをしているのでしょうか。
生体内での水
飲水や食事中に含まれる水分により、水は体内へ摂取されます。また尿、便、唾液、呼気中の水分として排出されます。生体の体重の概ね60%を水が占め、そのうちの3分の2は細胞内に存在します。血液は体の隅々にまで酸素や栄養素、ホルモンなどを運搬し老廃物や不必要な物質を回収します。この血液の約90%を水分が占めます。
細胞の外、細胞と細胞の間や細胞の内部を体液が一定のバランスを保ち存在しています。これらの体液のバランスが崩れると脱水症状や浮腫(むくみ)がみられるようになります。
水の働き
1.化学反応に適した環境を作る
体内では、栄養素などの物質が分解され、合成され酵素反応が起き代謝され・・・複雑な化学反応が起きています。さまざまな化学反応にとって水はなくてはならない存在です。
2.体温の調節
温まりにくく冷めにくい(比熱が大きい)という水の性質は、体内の急激な温度変化を防ぐことに大きく役立っています。
また、犬や猫のような汗腺が発達していないどうぶつでは、口を開いてハァハァと浅く速い呼吸(パンティング)をすることで唾液とともに熱い呼気を体の外に吐き出して体温調節をします。
3.運搬する
水は、血液やリンパ液のような体液として栄養素やホルモンを体の隅々まで運び、老廃物や過剰に摂取した物質を回収するという重要な役割を担っています。
4.排泄機能に関わる
(1)腎臓の役割と排尿
血液は体内を循環する過程で腎臓を通過します。腎臓を通過する際、血液中の不要な物質をろ過して血液をきれいにします。その後、必要な物や水分は再吸収されて不必要な物は尿として排出されます。代謝の過程で体内ではアンモニアなどの老廃物が産生されますが、腎臓の働きが衰え、適切に体外に排出できなくなると、体に有害な老廃物を体内に留めることになってしまいます。
また、腎臓では血圧維持のためのホルモンを分泌し、水分と塩分の排出量を調整することで尿量を調節しています。
(2)排便
食べ物を消化・吸収するために要する唾液、胃液や胆汁、膵液、消化酵素は一日に9リットルほどになります。ドロドロな状態で小腸にたどり着いた食べ物は、必要な栄養分を体に供給した後、大腸で水分が吸収され、便として排泄されます。
犬の水分摂取が足りないことが、便秘の原因となることもあります。
飲みたいときに飲める環境を!
犬が「水を飲みたい」と感じたときには、いつでも飲めるような環境を作っておきましょう。ドライフードを利用している場合には、ぬるま湯でふやかして与えるなど、水分摂取量を増やす工夫をなさってもよろしいでしょう。
多飲多尿について
腎臓でろ過された原尿を濃縮し、尿管や膀胱を経て尿が排泄されますが、何らかの原因により一連の機能が正常に働かなくなると、体内に残すべき水分がどんどん体外に排出されてしまいます。生体は脱水状態になってしまうので、たくさんのお水を飲んで補給しようとします。このような症状が多飲多尿です。犬の体にあらわれた異常を早期に発見するためには、犬の尿の量や飲水量、尿量を把握しておくことが重要です。
- ◇飲水量の目安
運動量、季節、食事量などにより異なりますが、飲水量は犬の体重1kgあたり40~60ミリリットルが1日の目安となります。
- ◇尿量の目安
尿量は、犬の体重1kgあたり20~45ミリリットルが1日の目安となります。
※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。
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甘噛みをしてしまう場合、飼い主様の手や足など噛んではいけないものを噛んだら無視をしましょう。また、噛みたい欲求を満たしてあげるため、噛んでも良いロープ等のおもちゃで遊んであげるのも良いです。よろしければ、以下の甘噛みについての記事も参考にしてください。https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/1237
基本的には、フードの袋の側面などに記載されている体重やご年齢あたりの目安量に沿っていただければ問題ございません。ご参考までに、いま理想的な体重であると仮定して教科書的な計算式にあてはめますと1日300kcal分が目安となりますが、個体差もございます。ご心配であれば、定期健診の時などに、かかりつけの先生に同時に体格などをチェックしていただいて調整していただくとよいでしょう。
基本的には、フードの袋の側面などに記載されている体重やご年齢あたりの目安量に沿っていただければ問題ございません。ご参考までに、いま理想的な体重であると仮定して教科書的な計算式にあてはめますと1日300kcal分が目安となりますが、個体差もございます。ご心配であれば、定期健診の時などに、かかりつけの先生に同時に体格などをチェックしていただいて調整していただくとよいでしょう。