水頭症 <犬>

概要

Overview

脳の周りや脳室(脳の中の空洞)には、脳脊髄液と呼ばれる体液が貯留し、クッションのような役割をして脳を守っています。水頭症とは、この髄液が頭蓋内に過剰にたまり、脳が圧迫を受けて様々な症状が出る病気です。

 

※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

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原因

脳脊髄液は、脳の中の脳室と呼ばれる部分で産生され、脳の表面(くも膜下腔)を循環して脳の静脈に吸収されて一定の貯留量を保っています。水頭症は、この脳脊髄液の流れが悪くなり、病的に脳脊髄液がたまることで起こります。水頭症の原因には先天性のものと後天性のものがあり、後天性のものは、脳の損傷や脳内出血、脳炎、脳腫瘍などが原因で発症します。
また、水頭症は内水頭症と外水頭症とに分類され、では、脳脊髄液が脳室に必要以上にたまることで脳が圧迫され、(脳圧が上昇することで)さまざまな症状を引き起こす内水頭症が多くみられます。外水頭症は脳の外側のクモ膜下腔に液体が貯留する状態をいいますが、での発症はまれです。

症状

脳の障害を受けた部位や程度、期間により、さまざまな症状がみられます。元気がなくなって疲れやすくなる、痙攣(けいれん)発作・嗜眠(しみん:睡眠を続け、強い刺激を与えなければ目覚めて反応しない状態)・行動異常などの意識障害や、不全麻痺、斜視(両目の視線が正しく見る目標に向かわないこと)、眼球振とう(意思とは関係なく眼球が動くこと)などの神経障害、筋硬直などの運動障害、視力障害等が起こります。

治療

の症状や状態、飼い主の希望などによっても治療法は異なりますが、一般的には、内科的治療と外科的治療があります。

●内科的治療
脳圧を下げるために利尿薬の投与やステロイド薬の投与などを行ないます。また、痙攣発作が起こっている場合には、発作を抑える薬を投与します。内科的治療で症状が緩和されるケースもありますが、症状が重度な場合や内科的治療を行って症状の改善がみられない場合などは、外科治療を行うことがあります。

●外科的治療
直接針を頭に刺して脳脊髄液を抜く処置や、脳室からお腹に余分な脳脊髄液を排出するために弁の付いた管を設置する手術を行うこともあります。の症状や状態などによって、手術適用時期や手術方法が異なります。また、外科的治療を行う場合は、麻酔のリスクや手術後の安静期間、ケア方法、費用等につきましても、かかりつけの動物病院によくご相談ください。

予防

早期発見、早期治療が大切です。ご自宅では、の普段の動作や行動などのチェックを行ないましょう。また、上記に記載の症状が見られる場合は早めに動物病院にご通院ください。

病気のデータ

Disease data

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みなさんからのコメント

Comment
ぴーちピノ
2021-11-14 16:25:59
9才半のペキニーズです。MRIは撮っては居ないですが高確率で水頭症ではないかとの診断をされました。病気から来るものなのか3才の時に癲癇を発症し攻撃性も強く本気で咬みに来ますが、内服薬での治療を続けるべきなのか手術をするべきなのか迷っています。
サイトで調べてみると環軸亜脱臼の症状らしき四肢のふらつきや起き上がれない、食欲減退等の症状も出ています。
アニコム獣医師
2021-08-04 19:07:56
>風太様
てんかんが起こる原因は複数あり、それぞれ対処法やお薬が異なることもございます。お薬の効きが悪くなってきた、もっと合ったお薬がないか確認したい、といった際は、てんかんの原因を突き止めるために、一般的な検査に加えMRIなどの精査を実施することも検討いたします。しかし、どこまでの検査を行うかは現在の体調を踏まえて考えますので、再度かかりつけの先生にご相談いただくことをお勧めいたします。
風太
2021-08-01 20:53:51
癲癇と診断され1年くらい薬を飲んでいます。最近、調子が悪く薬が増えました。一旦落ち着いたと思ったらまた症状が落ちつかなくなったたも再診に行ったところ、神経症状もないとのこと。脳圧を下げるためにステロイドを出されました。ただの癲癇ではなく他に疾患があっての癲癇なんでしょうか⁉️。きちんと検査してる訳ではありません。
ぺち
2020-12-11 17:05:11
ヨークシャテリアのメス(0歳2ヶ月半)が、昨晩鳴きながら長時間頭を擦り付けたりしていました。もともと斜視入ってますし、呼びかけにも答えなくなってしまったので脳の病気か心配してあります。今日は元気なのですが…。
アニコム獣医師
2020-11-24 11:06:40
>らむまま様
痙攣の原因ですが、3歳のころに認められていた第三脳室の拡大が関与している可能性もございますし、他の原因の可能性もあります。痙攣の度合やペキニーズさんの状況(既往症など)にもよりますが、なるべく当日に受診されることをおすすめします。
※本掲示板はコメントまでに時間を要します。受診の判断に迷う場合は、大事を取って早めに受診することをおすすめします。

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