副腎皮質機能低下症 <犬>

概要

Overview

「アジソン病」と呼ばれることもあります。副腎は、左右の腎臓の近くにある、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)を分泌する内分泌器官です。このコルチゾールは、糖代謝や脂質代謝、タンパク質代謝、体の免疫系やストレスに対する作用などさまざまな働きを担っています。副腎皮質機能低下症は、この副腎皮質ホルモンの分泌が低下することにより、さまざまな症状が引き起こされた状態をいいます。発症は若齢?中年齢(平均約 4 歳齢)の女の子の犬で多くみられるようです。

 

副腎皮質機能低下症(アジソン病)の診療フローチャート

※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

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原因

副腎皮質機能低下症の発症の原因には、次の2つがあるといわれています。

1.原発性副腎皮質機能低下症
 副腎自体に萎縮や破壊がおこり、副腎皮質から分泌されるホルモンが低下することによって起こります。
 腫瘍や免疫介在性疾患、血栓などさまざまな原因があるといわれています。

2.続発性副腎皮質機能低下症
 副腎皮質ホルモンの分泌を促進する下垂体ホルモンの分泌が低下するためにおこります。
 その原因として下垂体そのものに異常がある場合や、長期ステロイド剤の投与を急に中止した場合などがあります。

症状

副腎皮質ホルモンは、体に対して多くの影響を与えるホルモンとなるため、副腎皮質機能低下症ではさまざまな症状がみられます。
・多飲、多尿(飲水量が増え、尿量が増す状態)
・食欲不振
・嘔吐、下痢
・体重減少
・高カリウム血症、低ナトリウム
・軽度のBUN(尿素窒素)上昇
症状が急性の場合では高カリウム血症から心臓の機能不全を起こすことがあります。
その場合ショック症状を起こし、重度の場合では死に至ることもあります。

治療

副腎皮質ホルモンの投与を行ないます。基本的には、生涯を通しての投与となり、投薬にあたっては、まずホルモンの分泌が低下している原因を確定します。次に、薬の必要量を確認するために、投薬前後の血液検査(血中の副腎皮質ホルモン濃度の測定)を行ないます。投与量が多い場合には副腎皮質機能亢進症を引き起こす可能性があるため、注意が必要となります。薬の投与量や回数などについては犬の症状や原因、副腎皮質ホルモン濃度により異なるため、定期的な検査を含め、動物病院にご相談ください。
また、高カリウム血症などショックを起こすような急性の症状がある場合には、生理食塩水などの点滴や副腎皮質ホルモンの静脈内注射など緊急の処置が必要となりますので、異常が疑われる場合には早急に動物病院にご通院ください。

予防

早期発見、早期治療が大切です。動物病院でのこまめな検診をお勧めします。ご自宅では、犬の行動や飲水量、尿量、体重が減少していないかなどのチェックを行ないましょう。また、その他上記に記載の症状が見られる場合は、早めに動物病院にご通院ください。

病気のデータ

Disease data

病気のかかりやすさ(%)

平均年間通院回数
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みなさんからのコメント

Comment
アニコム獣医師 山田
2020-08-12 11:03:47
>ラポ様
お薬の服用量は、投薬するお子様の体重から治療効果のある適量を算出しています。適量を超えると副作用など起こす場合もあるので、クッシングのお薬の量を間違って投薬した旨については、一度かかりつけの先生にその旨をお伝え頂き体調のチェックをして頂くと安心かと思います。
ラポ
2020-08-10 07:03:13
16歳 ダックスです。3年くらい前からクッシングで毎日お薬飲んでます。
今年に入ってから認知症も少し入っていて自力で食事も取れず注射器でチュールをあげています。でも身体は元気です。昨日誤ってクッシングの薬を2錠飲ませてしまいました。大丈夫でしょうか?

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