概要
Overview細菌感染による副鼻腔炎、気管支炎などの呼吸器疾患にかかることで、うさぎにくしゃみや粘液性の鼻水といった症状がみられることがありますが、このような症状を総称してスナッフルといいます。原因となる病原体の代表格がパスツレラ菌ですので、特にパスツレラ菌の感染による鼻性呼吸(※)や呼吸時の異常音のような症状を指して使われることもあります。
※鼻水で呼吸がしづらくなり、苦しそうに鼻で息をしている状態が鼻性呼吸です。
※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。
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原因
パスツレラ菌のほかにも気管支敗血症菌や黄色ブドウ球菌などが原因となる場合もあります。うさぎが鼻腔や副鼻腔内にこれらの細菌を保菌していても必ずしも発病する訳ではなく、無症状の場合もありますが、季節の変わり目や環境の変化、不衛生な環境といった、何らかのストレスがきっかけとなって発症すると考えられています。
アレルギーでも全く同じような症状を示すことがありますので、原因の究明には細菌の培養を行うことになります。
症状
初期には水溶性の透明な鼻水やくしゃみがみられます。副鼻腔炎に進行すると鼻水は次第に粘液性になり、膿(のう)性に変化します。
不快感から鼻を前肢でこするため、鼻の周辺や前肢の内側の被毛が鼻水で汚れてガサガサになります。重症化すると、呼吸のたびに「ズーズー」といったスナッフリング・ノイズが聞かれるようになります。症状が軽いうちは見逃してしまいがちですが、進行すると肺炎になったり、胸に膿(うみ)がたまったりして呼吸困難となり、死に至ることもあります。なるべく早めに気づいてあげて、症状が軽いうちに動物病院を受診しましょう。
治療
抗生物質の投与、および症状にあわせた対症療法を行います。いったん症状が改善しても、パスツレラ菌などの原因となる細菌を完全になくすことは難しいため、ストレスや免疫力の低下による再発の可能性があります。
予防
予防に適した飼育環境としては、室温の目安は23℃、湿度は50~60%程度が望ましいといわれています。また、部屋の空気をまめに入れ換えることで、空気がよどまないようにしましょう。ケージを清潔に保つことも大切です。特にトイレの衛生には注意が必要です。
日光浴も殺菌作用があり、抵抗力をつけるためにも良いといわれています。ただし、うさぎは暑さに弱いので、暑い季節の日光浴の際は、必ずうさぎが涼しく日の当たらない場所に自分で移動できるように、逃げられる場所を作ってあげてください。
多頭飼育の場合には、他のうさぎへの感染を予防するため、スナッフルにかかっているうさぎを隔離する必要があります。また、飼い主さんが他のうさぎのお世話をする際には手洗いをするようにしましょう。お年寄りや小さいお子様、免疫力の弱い方など、人にも感染する可能性もありますので、うさぎを触った後は、念のため手洗いやうがいをするようにしましょう。
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うさぎさんのスナッフルの治療効果が認められない場合は、抗生剤の変更、点鼻薬やネブライザー治療などの追加、呼吸が苦しい場合は鼻汁の吸引や酸素室を利用することもあります。
また飼育環境を清潔に保ち、湿度40~60%・気温16~24℃でうさぎさんが過ごしやすい環境を整えてあげてください。
アレルギーや歯の異常が鼻づまりの原因となることもあるため、改善がなければ早期に受診してください。
遊んだあとは、しばらくの間は息苦しそうで『ブーブー』や『ビュービュー』という音が聞こえます。時々くしゃみも出ます。鼻水もでています。他の病院で改めて診てもらった方がいいのでしょうか。少しでも症状を和らげる方法などあれば教えていただきたいです。
スナッフルは鼻性呼吸や慢性鼻炎とも呼ばれ、パスツレラ菌の感染が原因となることが多いですが、その他に黄色ブドウ球菌や、気管支敗血症菌などさまざまな細菌によって起こります。ただ、鼻水はアレルギー疾患など、感染症以外でも起こることがあるので、一度かかりつけの先生にご相談いただくことをお勧めします。