尿道閉塞

概要

Overview

尿道が何らかの原因で詰まってしまい、おしっこが出せなくなる病気です。おしっこが十分に出せなくなると、急性腎障害を引き起こし、命にかかわることもある緊急性の高い病気です。

原因

尿道閉塞の原因として最も多いものは尿路結石によるものです。特に雄のワンちゃんには、陰茎(ペニス)に陰茎骨という細長い骨があり、尿道は膀胱から外へ出る途中でこの陰茎骨の中を通過します。陰茎骨に囲まれた部分の尿道は狭くなっているため、膀胱から流れてきた尿結石が引っ掛かり詰まりやすくなっています。

尿道、あるいは尿道の周囲に腫瘍ができることで尿道が閉塞することもあります。また、会陰ヘルニアによって膀胱の位置が大きく移動した結果尿道が折れ曲がってしまうなどが原因で尿道閉塞になることもあります。

※会陰ヘルニア:肛門周囲の筋肉がわ弱って薄くなり、筋肉の隙間から直腸や膀胱などお腹の中の臓器が飛び出してしまう病気。

症状

おしっこをしようとしてもポタポタとしか出ない、全く出ないなどの症状が見られます。排尿時の痛みによって、おしっこの姿勢をとりながら鳴くこともあります。おしっこが溜まっているのに出すことができないため、落ち着かずにうろうろすることもみられます。

おしっこが出せない状態が長く続くと、腎機能障害が起こり、尿毒症の症状が現れます。食欲低下や嘔吐、元気がなくなるといった症状のほか、重度になるとけいれん発作が起こることもあります。

治療

尿道に結石が詰まっている場合は、これを取り除く処置を行います。カテーテルを尿道の先端から挿入して結石を膀胱まで押し戻す方法や、手術で尿道を切開して取り除く方法があります。結石を膀胱内に押し戻した場合は、再発をを防ぐために膀胱を切開して結石を取り除く手術が行われることが多いです。

手術を行った後は、再び結石ができることを防ぐために尿路結石予防用の食事を与えるなどの治療を続けます。

 

腫瘍が原因となっている場合は、手術や薬による治療だけでは尿道を十分に広げることができないことがあります。その場合には尿道から膀胱までカテーテル挿入して設置することで、カテーテルを通しておしっこが出せるようにすることで、腎機能障害を防ぎます。

予防

尿路結石の病歴がある場合は、お薬や食事でしっかり管理を行い、閉塞の原因となる結石が作られないようにしましょう。

尿道閉塞は、早めに治療を行って、急性腎障害を続発させないことが重要です。おしっこを出せないなどの尿道閉塞を疑う症状が見られた場合は急いで動物病院で診てもらうようにしましょう。

病気のデータ

Disease data

病気のかかりやすさ(%)

平均年間通院回数
通院1回あたりの平均単価
他の動物種のデータを見る

病気のデータ

他の動物種のデータを見る

コメントを書く

※20文字以内で入力してください
※200文字以内で入力してください
画像
最大3ファイル / 64 MB 制限 / 許可されたタイプ: png gif jpg jpeg

アニコム損害保険株式会社

アニコム損害保険は、ペット保険を通じて、飼い主様の涙を減らし笑顔を生み出す保険会社を目指しています。

保険金支払データの分析を通じ、どうぶつがケガをしない、 病気にならないための情報の提供など、予防促進に取り組んでまいります。