免疫介在性溶血性貧血(IMHA) <犬>

概要

Overview

免疫介在性溶血性貧血は、自己免疫性溶血性貧血と呼ばれることもあり、何かしらのきっかけによって犬の免疫機能に異常がおこり、自身の赤血球を破壊してしまうことから貧血の症状を示す病気です。男の子の犬より女の子の犬の発症が多いことで知られています。

 

犬の免疫介在性溶血性貧血(IMHA)の診療フローチャート

 

※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

お近くの動物病院をお探しの方はこちらアニコム損保動物病院検索サイト

原因

発生の原因ははっきりわかっていませんが、感染や遺伝的な素因も原因の一つではないかといわれています。自身の免疫機能が何らかのきっかけで自分自身の赤血球に抗体を作ってしまい、その抗体によって、血管、脾臓、肝臓、骨髄などにある自分自身の赤血球を破壊してしまうことが原因となります。感染症や悪性腫瘍など他の病気が引き金となって起こる二次性のものもあります。
この病気がよく見られる犬種としては、マルチーズ、シー・ズー、プードル、コッカー・スパニエル、アイリッシュ・セッターなどが挙げられます。

症状

食欲不振や元気喪失、また、疲れやすくなり動くと息切れをするなどの一般的な貧血の症状がみられます。貧血によって舌やお口の粘膜などが血色を失い、白っぽく見えるようになります。その他に赤血球の色素が尿に溶け、赤い尿としてみられる血色素尿や黄疸などの症状が起こります。

治療

お薬で異常な免疫機能を抑える治療をして、赤血球の破壊を食い止めます。一般的にはステロイドが使用されることが多いですが、症状の強さによりシクロスポリンなど他の免疫抑制剤を合わせて使用することもあります。また、重度の場合には、QOLを向上させるために、輸血療法や酸素室の利用を行うことがあります。

お薬での治療で十分な効果が得られない場合には、赤血球が破壊される場所の一つである脾臓を手術で摘出することもあります。

感染症などが原因で二次性に免疫介在性溶血性貧血になっている場合には原因に対する治療を同時に行います。

治療は数ヶ月かかることが多く、いったん完治した場合でも再発することがあるので注意が必要です。また、近年、再生医療、細胞治療の研究がさかんになされており、病院によっては有効な治療方法の一つとして実用化されています。

予防

発症の原因がはっきりしていないので、予防することは難しい病気です。治療が遅れると重症になることもあるため、早期発見・治療が重要です。上記のような症状がみられたら、早めにかかりつけの先生に相談してください。

病気のデータ

Disease data

病気のかかりやすさ(%)

平均年間通院回数
通院1回あたりの平均単価
他の動物種のデータを見る

病気のデータ

他の動物種のデータを見る

みなさんからのコメント

Comment
オカン
2022-01-11 22:36:42
現在10歳のパピポメの我が子が、4歳の時に発症。急に元気がなくなり尿がオレンジ色に。即入院で輸血で繋いだ命です。寛解するまでに2回程再発があり、減薬と増薬の繰り返してでした。
1年程で寛解しましたが、それまでが精神的にも大変でしたけど、今現在凄い元気ですよ!
寛解してほしい
2021-12-21 00:10:34
2日前に血尿。1日前に嘔吐。この時Ht値は38.6%。そして本日早朝、Ht値が急激に10まで下がりセカンドオピニオンへ。酸素室に入り、輸血、ガンマガード実施しました。凝固能が高いと言われ、輸血の時点で持たない可能性が高いと言われました。なんでうちの子が。という思いしかありません。妊娠しておりこれから収入が減る現実と、少しでも助かる見込みがあるならどんな治療でも受けさせてあげたい気持ちが交差します。
ribon
2021-11-25 22:28:15
ミニチュアブルテリアのメスです。8歳になってすぐの頃突然のオレンジ色の尿に違和感を感じ翌日病院が開くのを待って受診。夜中にかけてグッタリしていき朝はトイレの時に倒れ込むほど動けなくなってました。尿も血尿のように濃い赤ワインのような色でした。輸血1回、ステロイドと免疫抑制剤の内服を1年間続け、寛解状態になりもうすぐ1年。薬をやめて子宮蓄膿症を発症し全身麻酔で手術しましたが今のところ再発もありません。
リオ
2021-11-12 17:02:21
10月28日に9歳7ヶ月の柴の雌がこの病気で亡くなりました。
医師の話ではゆっくりと進行していったようだとおっしゃっていました。
普段、実家に帰ると飛びついてくるのに
一時期を境に飛びついて来ず、親が歳だからというのを信じてしまいました。
病院へ連れて行って一週間後のお別れでした。
アレ?と思う行動があれば病院で診てもらってください。
アニコム獣医師
2021-11-05 09:56:25
>もみたん様
人間と同じで、不快感、痛み等があると眠れないことがございます。抗がん剤には様々な副作用がありますが、メリットが勝れば、投与を行うという選択肢になります。抗がん剤は細かく検査を行い、結果や全身状態をみて投与計画をたてますが、次回の投与が難しいと判断されれば、投与を延期・中断する事もございます。どうぶつさんの全身状態、検査結果を踏まえながら、担当の先生と十分お話合いをされてください

コメントを書く

※20文字以内で入力してください
※200文字以内で入力してください
画像
最大3ファイル / 64 MB 制限 / 許可されたタイプ: png gif jpg jpeg

アニコム損害保険株式会社

アニコム損害保険は、ペット保険を通じて、飼い主様の涙を減らし笑顔を生み出す保険会社を目指しています。

保険金支払データの分析を通じ、どうぶつがケガをしない、 病気にならないための情報の提供など、予防促進に取り組んでまいります。